「治部の頑固さにも困ったものよ」


吉継の頭の中には30万石が関東250万石に立ち向かう


無謀さにも頭にきたのだがなぜもっと早く


直江との共謀を私に言わなかったのかその思いがあったのだ。


「吉継兵部さまにあっても是非我が殿に力になって下され」

三成の密史で来た左近の顔を見ているとこの男は

治部にはもったいないと左近は思いながら

これ程の男に死を覚悟させた戦いを決心させた


石田三成と友であって良かったとも思うのだ。


戦は石高ではない。


「上杉中納言と備前殿にはもうお味方の達しが届いております

 毛利輝元どのにも安国寺恵慧どのより味方してもよいと言ってきております」

左近は慎重に吉継の顔を横から強い視線で

見つめながら話しているのだ。


「毛利どのしだいだな、しかし毛利家の軍は吉川広家が握っているときく、

 奴と治部は仲が悪い、味方するとは思えぬ、、この事考えておく」

吉継は左近を追い返すと


「奴はわしが味方しなくても立つつもりじゃ」腹心たちの中で

こうつぶやき友への最後の馳走じゃ。


覚悟を決めながら心が震え立つのを喜びに感じている

のであった。