有馬の空は(有馬記念予想)
オルフェーヴル、ジェンティルドンナの回避で、
当方的には俄然混戦模様の濃くなった2012年有馬記念。
2冠馬ゴールドシップがまず間違いなく1番人気だろう。
繰り上がり当選のルーラーシップとは勢いの差もあるし、
今年の漢字一字が「金」なんかに決まったもんだから、
まあ、1本カブりまであるかな。
先週の朝日杯でコディーノが証明したように、
博打において人気が過剰に偏った時ほど危険なものはないのであるが、
果たして…。
① 馬場
このベースが本年の有馬記念においてはかなり重要なポイントと考える。
近年の馬場傾向としては冬場でも、最終週でもそれなりに時計がでる仕様を
保っていることが多い日本の競馬場。
「そんな高速な馬場なら馬の脚に負担が掛かるので、
故障馬が増えてしまうではないか。けしからんっ!!!」
なんて意見もあるようだが、馬場の硬さは実は昔となんら変わっていない。
馬場の硬度計の数値の裏打ちもあるので、これは厳然と事実とみてよいはず。
芝の種類および質の改良や生育環境の整備、技術向上によって、
「馬の脚元への負担を掛けない高速馬場」を長い期間保持できる
ようになった。偏に馬場造園課の努力の賜物なんだろう
ただ、そんな技術向上も太刀打ちできないケースもある。
今年の2~3月の阪神競馬場なんかは時計が掛かりすぎていた。
土日に降雨が続いた所為であろう。
当然騎手方々もこの馬場に対応すべくペースを考えて騎乗する。
しかし、その結果馬場のバイアス以上に緩めすぎて
超スローな展開になることがしばしば。
騎手も馬場を意識しながら乗っているという当たり前のことを
今一度認識してみよう。
先週の朝日杯のラップ(3F-2F-3F)は
33.9-23.4-36.1
もちろん1000m通過が57.3なんて誰が見たってハイペース。
こんなペースで推移すれば差し馬がもっと食い込んできてもよさそうな
ものだが、勝ったのは終始前で進めたロゴタイプ。
差し勢はティーハーフが最速の上がり35.5を使って5着が精一杯。
前半のハイペースで後続もなし崩しに脚を使わされてしまい。
全馬が伸び切れなかった結果と解釈できるのだが、それにしても上がりが
掛かりすぎている。
例年以上に早かった寒波の訪れの影響か、
今の中山は騎手の想像以上に芝の傷みが激しく、
上がりの掛かる仕様になっているのではないか?
つまり、瞬発力タイプの馬が全く良さを発揮できない舞台。
これを念頭において、展開予想をしていくこととしよう。
② 展開
逃げるのはおそらくアーネストリー。
近走の不振を盛り返すきっかけが欲しいだろうし、
他に行きそうな馬もいないメンバー構成、+内枠でもあり、
これなら、というところ。
ビートブラックの出方次第だが、同馬は7枠14番。
馬主も一緒であることから、無理せず番手につけるはず。
アーネストリーがスンナリとハナさえとれれば、道中落ち着いた流れで進める。
緩い流れで番手から虎視眈々とタイミングを計っていたビートブラックが
残り1000m辺りから急激に動きだす形。
このすぐ後にゴールドシップも仕掛ける。
アーネストリーもこれに呼応して動きだす。
他各馬、この流れに乗り遅れれば、直線短い中山では差し損ねるケースもあり、
逆に早く仕掛けすぎれば、最後まで脚が残らず失速という結果になりかねない。
自身の騎乗馬の資質を見極めた上で瞬時の判断が要求されるという、
騎手にとっては難しい一戦。
となると、どこから動いてもバテない強みを持っている
ゴールドシップが俄然有利にみえるが、これは通常の馬場の上での話。
今の馬場でいつものような「マクリ」をやると、
逆にラストの坂で失速がキツイ可能性も。さて…。
③ 各馬分析
ローズキングダム
もともと、底力勝負が少なかったクラシックレースの世代上位馬なので、
古馬になってどうなるやらとは思ってはいたが、
嘗てのクラシックを賑わせた頃を思うと、この失墜振りは驚き。
早熟だったのか?
JCでは勝ちに行った結果とはいえ16着。この惨敗振りからの
復活は想像し辛いという雑感と、距離、ペース負荷、コースの
いづれに対しても対応力が他メンバーと比べて
見劣る過去経緯から、全力で切り。
ゴールドシップ
菊花賞では早め進出の大外捲りにも関わらず、
バテずにそのままゴール。ものの見事に力の違いを見せ付けた。
立ち回り方だけで言えば、オウケンブルースリも
同じように菊花賞を勝っているが、勝ち時計が大きく違う。
つまりオウケンは緩んだ流れで、脚が溜まらないと伸びあぐねるのに対し、
ゴールドシップはペース負荷が掛かっても伸びられるということ。
こと有馬記念においてこの資質の違いは大きく、
直線の急坂への対応も皐月賞勝ちの材料がある。
しかも今回は55キロで臨めるという斤量利も含めると
勝ち負けは必至とみる。
オウケンブルースリ
ゴールドシップの項でも述べたように、脚を上手く溜めてこその馬。
当方が想定する展開では脚を溜めたとしても間に合わないし、
坂のあるコースでは格下相手でないと勝ちきれないという弱点も見え隠れ。
一昨年の有馬記念では◎抜擢をした馬。
道中抜群の好位に構え、4角では「貰った」と思ったが、
意に反してズルズルと失速。
その時の反省も込めてここはメイチで切っていきたい。
ルーラーシップ
ジャパンカップでもそうだったが出遅れ癖という
ウィークポイントを抱える馬で軸にするには信頼度が落ちる。
(特に最近は酷い…)
それをカバーするだけの末脚は持っているものの、
発揮して勝ちきるまでに至るには、「好騎乗」の助けが必要で、
さらにこの馬場。
ゴールドシップの進出に合わせて進んでいくと思われ、
最後までもたなさそう。切って妙味を追う。
ビートブラック
天皇賞(春)の圧勝劇は展開が向いたことによるものに他ならないが、
逆にいうと「スムーズに運べると脅威になり得る」ということ。
今回はルルーシュとアーネストリー、トレイルブレイザーが煩い存在で且つ
4角で馬群が一気に詰まる傾向の中山コース。
楽には進ませてくれないだろうとは思うが、
人気がゴールドシップとルーラーシップの後方勢に集中している
構図から、マークがこの2騎に行き過ぎると
位置取りと仕掛けどころ次第では天皇賞(春)の再現があるかも知れない。
展開アヤが生まれる可能性も考えて押さえておいたほうが無難だろう。
アーネストリー
年齢的なものかどうかは定かではないが今夏よりの不調は本物だろう。
金鯱賞での負け方も悪く上がり目に乏しい。
度々「復活劇」の起こる有馬記念だが、ここまでの不調からの復活は
かなり考えにくい。往時であれば買える一頭だが、今回は食指が伸びない。
オーシャンブルー
金鯱賞で念願の重賞初制覇。アルゼンチン共和国杯など長めの距離でも、
それなりに伸びてこれていることから、
「持続力も一定レベル保有している瞬発力型」の馬。
このタイプの馬は厳しいペースになったGIレベルのレースでは、
最後まで温存した脚で一気に間に合わせてくる可能性があるので、
侮れない存在。しかし、馬場が悪く温存した脚もさほど伸びないのではないか。
ルメール騎手ならここで虚をついての先行策もあり得るが…。
ダークシャドウ
JCで◎を打ったのは距離をこなす素養が、
支笏湖特別の早めに動きながら4着確保の立ち回りの中に垣間見えたから。
その考えは今も変わらず、世間で囁かれる「距離不安」は当方には無い。
JCの敗戦は後方に構えて極瞬発力勝負にシフトしたこと。
もう少し前で進められたら、勝ちまであったと思うが…、
タラレバを言っても仕方ない。死んだ子の数を数えるのはよそう。
馬場を差し引いてもハイペースとなった昨年の天皇賞(秋)で
先行して2着は強い内容。出走馬中ベストパフォーマンスとみる。
僅差負けが続いているのは、
末脚が活きる流れで後方待機、
差しが嵌る流れで先行策というチグハグな立ち回りが続いたため。
今回ゴールドシップをマークする形で同じタイミングで仕掛けが打てれば、
当然について行けるし、立ち回り次第で勝ちきることも可能。
但し中山での強調材料が皆無のため印は冷静に▲とする。
ルルーシュ
先行しながら、2500mの距離をものともせず後続を突き放した
アルゼンチン共和国杯は評価できる内容。
但し高速馬場の上での好時計であり、且つ内目をロス無く回れた
コース取りの利が大きかったので、GIでいきなり通用するレベルか
どうかはまだ未知数。
(あくまで個人的見解として)瞬発力勝負で一気に勝ち上がってくる様な
この手の馬は、実は底力ポテンシャルも多分に備えている場合が多く、
過去、こういう馬を果敢に(無謀に)切って失敗してきた自己の反省も踏まえて、
ここでの大劇走もありえるとみる。オッズ次第ではアタマまで狙ってみたい。
スカイディグニティ
菊花賞ではゴールドシップに仕掛けのタイミングを合わせる形で
動いて2着に食い込んだ。ゴールドシップと比較すれば見劣るものの、
ここで通用するレベルの力は証明したと言って良いだろう。
しかし、距離ロスを避けた抜群の立ち回りだったのにも関わらず、
フェノーメノの後塵を拝したセントライト記念は、
実は坂で伸びきれない可能性の一端を示しており、
手放しで「買い」と言い切れない部分もある。
現段階ではまだ紐にとどめるのが妥当な評価だろう。
トレイルブレイザー
この馬の持ち味は
「上がりが掛かる流れの中でも先行してバテない粘り」に尽きる。
格下レベルではこれでも通用するが、G1ではここが試金石となりそう。
中山実績が少ないので、難しいところだが、
資質と脚質は今回の有馬記念に向くので、当然に押さえておきたい一頭。
エイシンフラッシュ
天皇賞(秋)はデムーロ騎手の好騎乗もあって、久しぶりの戴冠となった。
歴史的スローに流れたダービーを末脚一閃で勝ちきったように、
瞬発力勝負には強いが、反面、「ペース負荷の掛かる粘り勝負」になると
終いが伸びきれない。
オーシャンブルーと同じ資質と見て、控えて最後で食い込みの可能性はあるが、
人気妙味と馬場を考えると手を出し辛いところ。
ネヴァブション
無事に走ってもらうことを祈るのみ。馬券では不要と見る。
トゥザグローリー
もともとゆったりと流れた昨年、一昨年の有馬記念でともに3着。
特に昨年は時計の出る馬場にも関わらず、
同日の1000万クラスのレースより3秒程度も遅い勝ち時計。
立ち回り次第で食い込みは容易だったであろう。
今回はビートブラックが要るので、どこかで引っ張られる
展開になるだろうし、ペース圧が掛かると伸びを欠く馬。
それ以上にイタいのは、天皇賞(秋)殿惨敗で、前走はJCダートという
意味不明のローテーション。勝負気配を微塵も感じない。不要だろう。
余談だが、三浦騎手の騎乗予定が
蛯名騎手へ変更されたのは嫁の不祥事の所為?
ナカヤマナイト
中山実績が3-2-0-0という巧者振りから穴人気しそうだが、
古馬重賞クラスではいずれも重・不良馬場という渋った舞台での好走。
当方は「雨で時計が掛かる馬場」と「荒れて時計が掛かる馬場」は
峻別して考えるので、マツリダゴッホの時ほどの強調材料ではないとみる。
むしろ、中山実績だけで現在5番人気は過剰人気とも言えそう。
外枠でもあり、いつもより後ろの位置取りにもなりそうで、
中団からG1レベルの他馬たちに割って入れるほどではない。
切って差し支えないレベルと見る。
纏めると、
◎ ルルーシュ
○ ゴールドシップ
▲ ダークシャドウ
★ トレイルブレイザー
△ ビートブラック
△ スカイディグニティ
△ オーシャンブルー
印の序列はつけたものの、各馬差は少ないと見るので、
馬券は手広くで。
菊花繚乱!
自身が一番好きなG1ぐらいはちゃんと予想します。
逃げるのはニューダイナスティ。
3000mの長丁場のここは各馬とも
「自分の型で折り合いをつけながら進める」ことを
最優先するだろうし、最初の3角~4角あたりでで掛かる
可能性もあるコースなので、序盤の無理な仕掛けはない。
ニューダイナスティはセントライト記念で
高速馬場を考慮に入れての早い逃げで失速9着。
その経緯と800mの距離延長を考え合わせて、
ここはゆったりと進める。仕掛けるとしても中盤以降。
番手にはビービージャパン、タガノビッグバンが続く。
このゆったりとした流れに呼応し、全馬隊列は崩さず一団のまま
2000m辺りまでは平穏とみる。
しかしここで、ゆっくりな流れに「業を煮やして」
若しくは「戦略的に仕掛けて」
前に出ていく馬がでてくる。
候補は同じ挙動をした履歴のあるベールドインパクト、
前回は控えて負けた思いのあるマウントシャスタ、
強気の攻めが目立つM.デムーロ騎手を擁したアーデントあたり。
誰が仕掛けるにしてもこれを契機に馬群隊列が動き出す。
後方に待機していたゴールドシップも動き、
捲るように4角では中団まで押し上げてくる。
3000mの距離と中盤からの忙しくなる流れのW負荷に
耐えて、最後の直線もスピードを維持できる馬が浮上する展開。
ならばまず注目すべきは皐月賞上位勢。
近年稀に見る荒れ馬場で時計の掛かる馬場だったことを勘案すると、
2:01:3はかなり早い時計と言える。
2着、3着馬の出走が無いので、ゴールドシップが当確で、
コスモオオゾラもギリギリ評価対象としていいだろう。
話が少しそれるが、この2頭に関してはダービーの5、6着。
その1~4着馬の出走も今回は無いことを考えると、
世代トップが集うダービーで計ってもやはりこの2頭は上位とみていい。
ただし、コスモオオゾラはぶっつけ本番が気がかり。
ダービー以来の出走で3000mの距離はいかな大器でも流石に息がもたない。
ゴールドシップは皐月賞もさることながら、かなり早めに馬群が動いた神戸新聞杯でも、
「捲り」のスタイルを変えず、次元の違う走りで圧勝だっただけに、
ダントツ1番人気でも馬券対象からは外せない。磐石といえよう。
難解なのは、本来の資質を活かしきれなかった
その他の馬たちの取捨。
例えば、瞬発力ではやや見劣るベールドインパクトは中団から伸び悩んでの9着だが、
もし早めに動いて捲りに出れば、7走前の未勝利戦や京都新聞杯が示す通り
持続力の証明材料は十分なので、そのまま前で押し切りもあっただろう。
今回その「馬場に鑑みて早めに動く」挙動ができれば、ひょっとはする。
気性の成長が鍵とはなろうが…。
その他の馬たちに焦点をあてて、セントライト記念組も見てみると、
ここもフェノーメノ以外はどっこいどっこいな感じ。
ダノンジェラートもスカイディグニティも嵌った感が強い。
神戸新聞杯にしてもゴールドシップの強さが際立ったのみ。
「1強全弱」のこんな構図とき注意すべきは後方で死んだフリの追込馬。
セントライト記念でラニカイツヨシがいい瞬発力を見せている。
もともと持続力は5走前からその片鱗があって、
距離延長で見事に開花。更に長い距離で他がバテる中、
この馬だけが伸びれる形になれば、大嵌りもあり得る。
そして1強のゴールドシップが後方に位置取るので、アラアラで
行ききってしまう場合も注意パターン。
別路線組からタガノビッグバンを指名する。
前走兵庫特別のパフォーマンスも中々で、
母系に一本入ったリアルシャダイの血が実に気になる。
◎ ゴールドシップ
○ タガノビッグバン
▲ ベールドインパクト
★ ラニカイツヨシ
西宮S予想
8頭立てですか…。
頭数少ないと各馬の精査が早いのなんの。
まあ配当は地味になりがちですが…(^^;)
地味でも少点数で当てれば効率はいいわけで。
というわけで(どーゆーわけだ?)、
◎ ワンダームシャ
○ フレールジャック
▲ ランリョウオー
理由は
① 開幕週、高速馬場なら前が止まらない
② 行くと決めたら徹底的に行く幸騎手
③ 以前どこかにも書いたが、逃げ馬が中間緩めず逃げても
上がりがそれなりに保てる1800mという距離
④ 人気馬が差し馬だらけというメンバー構成
⑤ 且つその差し馬勢が…
とまあ、ワンダームシャに有利な条件が揃いすぎている。
フレールジャックは確かに瞬発力では上位だが、
坂のあるコースでイマイチ伸びきれていない点が懸念。
もちろん鳴尾記念は馬群の内側で脚を余した感もある。
「坂不向き」と結論付けるのはまだ早計だが、そうした懸念が見えるのに
「戦ってきた相手が違う感」で過剰人気になりそう。
駒下げして妙味を追いたい。
あとは早めに動いての絶好の立ち回りが出来たときの
ランリョウオーに注意。まあ多分届かないと思うけど。
馬連
(3)=(6)
三連複
(3)=(6)=(8)
