「住む環境が変わるたびに、

認知症は進みますよ。」

とは、

以前病院の先生に言われた言葉です。

 

昨年の10月から老人ホームでお世話になっている母。

認知症はずいぶん進みました。

 

アルツハイマーを発症してから、

もう11年になりますから、

今までよく頑張りました。

 

 

最近は、よく

「小さい桂ちゃんに会いたい。」

と言います。

 

「桂ちゃんのところに連れて行って。」

と今日も言われました。

「難しいなあ~~~~」

と答えると、

「あなたはいいわよ。難しくないわ。」

とチグハグな会話ながらも、彼女はどうしても会いたいと訴える。

 

私の事が完全にわからないのかというとそうでもないようで。

ちょっと視界からいなくなった私を再度見つけると、

「桂ちゃん!来てくれたのねえ。」

と喜んだりします。

 

 

 

記憶がどんどん消えていく。

言葉というものも、どんどんなくなっていく。

 

それでも、今は施設のピアノを弾きながら歌う私の横で、

一生懸命歌おうとしてくれます。

 

 

「記憶が薄れていくなら、また作ればいい。

忘れても忘れても、また作ればいい。」

とは私の子供達からの言葉。

 

また会いに行きますよ。