奈良の吉野山には修験道の聖地、
金峰山寺が。
役行者が開いたとされる修験道は、
山岳信仰や神道、仏教や道教から陰陽道まで、
融合されて成立した日本独自の宗教。
修験道のご本尊は蔵王権現であり、
神仏混合を具現化した独特な仏さまです。
その金峰山寺の近く、吉野山の中腹には
如意輪寺があり、こちらには源慶(運慶の右腕)作
と伝わる蔵王権現が安置されており、
着衣表現から造形まできわめて高い技術力が
伺える素晴らしい仏像です。
そして、こちらの阿弥陀如来立像。
何となく、ふと、
神護寺の薬師如来を思い出すフォルム。
お顔立ちはその薬師如来とはまた違う、やさしく、
端正で気品漂う表情です。
どうやら手の部分は後補であり、
元々は薬師如来として造像された可能性が
あるとか。
お寺も、真言密教から現在は浄土宗に。
長い年月を超えて、今こうして眼前に
拝することが出来る仏さまの前では、
すべてを見透されているような心持ちです♪