長めの休暇をとって一時帰国した家族。

帰国したときは、大きなスーツケースは軽かった。

でも、出国するときは、スーツケース+ボストンバッグ+お土産で、中学生の体重くらいの重さになった。

向こうの空港でタクシーを拾えなかったら悲惨ガーン

一週間外出しなくてもいいくらいのインスタント食品と冬着と靴とエトセトラが新たな荷物に加わった。

保安検査場入口から中へ入って行くとき涙ぐんでいたが、私たちは涙も出せない。

泣いている場合ではない。

仕事は戦いだ。

見送る側がメソメソしていたら飛行機がUターンしてしまう(-_-;)

いつまでも手を振りながら歩いていく家族の姿は、あっという間に見えなくなった。

登場手続きに大量の旅客がなだれ込み、時間がなくなっていた。

保安検査場入口を境にして、向こう岸とこちら岸に分かれる。

むこうは彼岸だ。

抱き合って別れを惜しむ恋人たちがいた。

海外留学に娘を送り出す父親もいた。

前者の恋人はなかなか離れず、後者の娘は背筋を伸ばして笑顔でスタスタと入って行った。


離発着が多かったきょうのセントレア。

家族が乗った飛行機が飛び立ったとき、スカイデッキからいつまでも手を振って見送った。

また会える日はいつかなぁ。

こんなとき七言絶句なんかを思い出したりする。


『黄鶴樓送孟浩然之黄陵』李白

故人西辞黄鶴樓

煙花三月下揚州

孤舟遠影碧空盡

惟見長江天際流


故人西のかた黄鶴樓を辞し

煙花三月揚州を下る

孤舟の遠影碧空に盡き

惟だ見る長江の天際に流るるを



先輩を見送る李白の有名な詩。

我が家は先輩でも何でもないけど。


家人辞中部空港

寒空一月飛海外

孤飛機遠影雲隠

惟聴爆音虚空消


テキトーに七言絶句を真似てみた(^_^;)