昨日、JRA70周年『メモリアルヒーロー』ファン投票の最終結果が発表されました。


来年はG1レース直前の特別レースは、G1ごとに選出された馬の名前を冠して、『JRAウルトラプレミアム○○○(選出馬名)カップ』として実施されるそうです。


選出馬の一部を申し上げますと、


大阪杯  キタサンブラック


春の天皇賞 ライスシャワー


宝塚記念 サイレンススズカ


秋の天皇賞 エイシンフラッシュ


ジャパンカップ アーモンドアイ


有馬記念 オルフェーヴル


皐月賞  ドゥラメンテ


日本ダービー ディープインパクト


菊花賞 キセキ


桜花賞  ダイワスカーレット


オークス エアグルーヴ


秋華賞  アカイトリノムスメ


高松宮記念 ロードカナロア


安田記念 タイキシャトル


20年以上前に走っていた90年代の馬達が選ばれるのってすごいですよね。

この中だとライスシャワー、サイレンススズカ、エアグルーヴ、タイキシャトルです。


個人的には春の天皇賞は初めて連覇したメジロマックイーンが選ばれるのかと思ったので意外でしたが、ライスシャワーが選ばれた事に感動しました。


ライスシャワー





平成元年に長距離馬(ステイヤー)血統で生まれた小柄の黒い馬。


同期には無敗で菊花賞にたどり着いたミホノブルボンがいました。

1992年。シンボリルドルフに続く2頭目の無敗の三冠馬誕生を楽しみにしていた競馬ファン達。


その菊花賞でライスシャワーは徹底的にミホノブルボンをマークし、2着に沈め大偉業を阻止しました。

観衆からは『あー。』というため息と、『余計なことするな。』という怒号。


そして次に無敗の三冠馬が誕生するのは2005年のディープインパクトを待つことになります。


年が明けて春の天皇賞。

このレースではメジロマックイーンが同一重賞3連覇という大偉業に挑戦。

ここでもライスシャワーは徹底的にマックイーンをマークし2着に沈め、大偉業を阻止しました。


菊花賞も天皇賞も当時のレコードタイムを叩きだしての勝利というから驚きです。


”何なんだこの馬は”


競馬ファンからの反応は、


『関東からの刺客』であり、『憎き敵役』


しかし、その後全く勝てない不振の時期に突入し終わった馬と見られるように。


競馬ファンからは、”ざまあみろ”


そして迎えた2年ぶりの春の天皇賞。


最後の直線で先頭に立ち、このままいけば勝てると思ったところで、外からステージチャンプが猛追。

動画ではほぼ同時にゴールイン。

ステージチャンプの蛯名騎手は思わずガッツポーズをしています。


写真判定となりましたが、当時の名実況アナウンサー杉本清氏はライスシャワーの勝ちを確信していました。


『おそらくメジロマックイーンもミホノブルボンも喜んでいる事でしょう。』


ライスシャワーの勝ちが確定し、再びターフに現れた彼は初めてヒーローとして迎えられました。


続く宝塚記念では震災の影響で開催地が阪神競馬場から京都競馬場へ変更に。

ファン投票で一位に選ばれ愛される馬となったライスシャワーでしたが、3コーナーで転倒、その場で安楽死処置が取られ帰らぬ馬となりました。


菊花賞と2度の春の天皇賞。

勝ち鞍全てが京都競馬場開催のレース。

そして最後のレースとなったのもまた。


”淀に咲き、淀に散った名ステイヤー”


ライスシャワーの石碑が京都競馬場に建てられました。


今年改修工事が終わり4月下旬にグランドオープンとなった京都競馬場では、ライスシャワーの石碑参りに待ち時間1時間ほどの長蛇の列が出来たそうですね。


ウマ娘の影響かもしれませんが。