競馬の記事が続きます。


今週末は秋の天皇賞。

これまで数々のドラマが生まれました。


13番人気のギャロップダイナに敗れたシンボリルドルフ。

1着入線後に18着降着処分となったメジロマックイーン。

17年ぶりに牝馬が制したエアグルーヴ。

ダイワスカーレットとの大接戦。長い長い写真判定で2センチ前に出ていたウォッカ。


レース後、検量室まで下馬してはならないというルールを破って天皇陛下に最敬礼したミルコ・デムーロ。



↑JRAのお姉さんは、最初馬に何かあったんじゃないかと心配していたそう。


ミルコ『ルールは知っていたけど、今日は特別だと思ってしまいました‥。』

不問になったものの、めっちゃ怒られたとのこと。




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数あるレースの中でも、一度見たら忘れられない衝撃のレース。


1998年 秋の天皇賞。


単勝1.2倍


サイレンススズカ



武豊騎手が『騎手は依頼が来るまで待つもの』という自身のスタンスを崩して自ら騎乗を志願した馬。



注目は誰が勝つかではない。

サイレンススズカがどれほどハイペースのラップを刻み、どれだけ他馬に差を付けるか。


1000メートルを57秒4のスピードで駆け抜け、いつものように大逃げをかましていた。


3コーナーを回りそこから‥4コーナーに向かう途中にアクシデントが起きた。


レース中に前脚を一本粉砕骨折。


その場で倒れてもおかしくないのに、鞍上の武豊騎手を落とさないように、よろけながら馬場の外側に移動した。


サイレンススズカはその場で安楽死となった。

その夜、武豊騎手は泣きながらお酒を浴びるように飲んで人生で初めて泥酔したという。



『天皇賞の歴史に残るようなレースがしたい。』

レース前にそう語っていた武騎手。


望まない形で深く人々に衝撃を与え心に刻まれるレースとなった。








あのレース動画はあまりに可哀想でもう二度と見れない。




『まずは無事に帰ってくること。勝ち負けはそのつぎです。』

秋の天皇賞を迎えるたびに関係者の思いを改めて知る。


今年、エフフォーリアやタイトルホルダーも途中で異変を感じた騎手が馬を止めて下馬していたけれど、ああいうシーンを見るとドキッとする。


勝ち負けももちろん重要だとは思うけれど、全馬が無事で初めて喜べるものなんだなぁと。


秋になるとサイレンススズカが教えてくれる。





『どこまで行っても逃げてやる。』



去年の天皇賞秋、パンサラッサが大逃げするもゴール寸前にイクイノックスに差されてしまった。


サイレンススズカ、きみなら猛追してくるディープインパクトからも逃げ切ることが出来るだろうか。



一度天国で勝負してみてほしい。