以前、ある親さんが「最近うちの子が急にイライラして変なんです。なにか学校で会ったんでしょうか。自分の部屋にいることも多くて、、、。少し前までは、リビングで一緒に楽しく過ごしてたし、素直でいい子だったんですけど」と悩んでおられました。

 

もちろん親御さんが心配されるような事態がないとは言いませんが、詳しく聞いていくと、思春期に入った子どもさんの心や行動の変化が影響していることが多いように思います。

 

確かに背景に、この親さんも心配されていたような、友達とのトラブルや悩みを抱えているケースもありますが、それまでは何から何まで親さんに話をしてくれていた我が相談してくれない、話をしてこない、という我が子の急な変化に戸惑われ、

 

それまでは、その話をもとに親として解決に動いてあげたり、アドバイスをすることができた状況が得られず、どうしていいかわからずに「親さんが困っている」という状況になっているケースが少なくありません。

 

背景にある悩みやトラブルへの対応も大切なのですが、思春期のこころや行動の変化

がある場合は、子ども側からすれば、それまでのように「親に何でも話す」というわけにいかないし、

 

そもそも自分の中にあるモヤモヤや思春期特有のイライラの場合は、脳のなかで起きているその時期特有のもの、ホルモンバランスの変化などが関係しているといわれているため、子どもの変化に合わせた親側の変化も必要となります。

 

心配な気持ちが過ぎて、あまりにしつこく聞いたりすれば、自分で何とかしようと思っている子ども側からすれば「信頼されていない」「過干渉」と感じてますます内にこもるような状態になかもしれませんし、

 

かといって、問題解決能力が十分ではなく、心や行動の変化にまだまだ戸惑っている本人にすべて任せることも親としては心配、、、という状況にいたってしまいます。

 

一方で、目に見えた反抗や攻撃、イライラではなくとも、「自分で何とかしたい」と思ったり行動したりすること、「親とは少し距離を置こうとする」という変化自体は、将来の自立のためには必要なステージです。

 

とても難しいとは思いますが、過度に干渉しすぎることなく、本人に任せながら、表情や行動、睡眠や食事などの様子を離れたところから観察しつつ、本人が相談したいタイミングで話を聴いてあげるというくらいに変えていくことが大切かなと思っています。

 

そして、親さん自身の不安や心配な気持ち、どうしたらいいかわからず迷ったり葛藤を抱えている状態については、我が子に向けるのではなく、周りの「大人」に相談することで気持ちを吐き出したり、落ち着くことが大事なんだろうと思います。