みなさんは、パブロフの犬の実験をご存じでしょうか。

 

心理学の世界では有名な実験なのですが、犬に餌をあげると唾液が出るという場面に追加して、餌とベルの音を同時に聞かせるようにしたら、その後ベルの音だけで唾液が出るようになった、という実験で、

 

「自然に生じる無条件反応を、もともとは関係がなかった特定の刺激に反応するように生成する手続き」、古典的条件づけのことをさしています。

 

例えば、梅干しを一度でも食べたことがある人は、梅干しの話をきいただけで唾液が出てきてしまう何てことが起きます。

 

人が生物である以上、そういう思ってもいない反応や学習は自然と起きるし、それは良い方向にもそうでない方向にも働くものなのだろうと思います。

 

精神科・心療内科やカウンセリングの世界では、この条件付けを応用した治療や取り組みが様々になされていますが、

 

例えば不登校のお子さんで「学校に行くのが怖い」「学校に近づくだけでドキドキする」というような感覚を持っていて、「でも中学校には行きたいから少しずつなんとかしていきたい」と思っている方がおられたら、

 

まずは朝起きて準備をして制服に着替えるところまでやってみる、

ランドセルを背負って通学路を歩いてみることから始める

慣れてきたら校門までいってタッチしてくる

誰もいない時間に教室に行って座ってみる

 

のように段階的に取り組みつつ、成功体験、「できた」という感覚を積み上げてもらって、「学校=怖い場所」⇒「学校=『できた』を感じることができる場所」のように少しずつ変化させていくことも可能になります。

 

ある特定の対象や場面に対して、「心」や「脳」が”不安”や”恐怖”を感じるパターンから、”大丈夫”、”なんとかなる”と思える対象に変わってい行くことで、「気持ち」が楽になって、「行動」できるようになっていくのだろうと思います。

 

こころ、身体、感情、行動はすべてつながっていて、それらはいい方向にもそうではない方向にも連鎖的に反応がつながっていくのだということ。

 

何か悩んでいる人は、そういう理論やパターンがわかっていて、その人なりの目標に向かって一緒に取り組んでいける専門家と是非つながって頂ければと思います。