レジリエンスという言葉が一般的になりつつありますが、皆さんはこの言葉に触れたことがおありでしょうか。

 

レジリエンスとは、復元力とか回復力などと訳されることが多く、もともとは物理の世界の言葉で、ストレスを受けても元に戻る力、弾力のことを指していたようです。

 

その後、虐待研究のなかでも使われるようになり、厳しい状況を生き抜いたサバイバーの方々や、虐待は連鎖すると考えられる中で、連鎖せず、健全性を保ちながら自分がされた子育てとは別の育て方、生き方をする人たちの持っている力に関連して「レジリエンス」の研究が進みましたし、

 

心理学の世界では「リジリエンス」は、脆弱性と反対の意味をもち、自己に不利な状況が起きても、しなやかに対応していく個人の能力として着目されてきました。

 

今では、ビジネスの世界でも、一般の世界でもよくつかわれるようになり、よくわかる本もたくさん出ていますね。

 

私たちは、日々の生活の中で、大小さまざまな困難にぶつかりますし、理不尽なことや避けようがないことも含めて様々なストレスフル場面に遭遇します。

 

そんなとき、その状況そのものを変えることは難しくても、その状況をどのように受け止め、あるいは受け流し、心折れることなくそれなりにやっていける力はとても大切な力だと思います。

 

とはいえその力は、ある日突然降ってわいてくるものでも、手に入れることができるものでもなく、放っておいて身につくものでもありません。けれど、何かコツがあるのなら知りたい、と思うのも自然なこと。

 

高いリジリエンスを持っている人の特徴から、参考になることがあればいいですよね。

 

例えば、

〇物事をポジティブにとらえるようにする(あるいはポジティブな面をみることができる)

〇日ごろから良好な人間関係を持っている(ソーシャルサポートネットワークがある)

〇できること、小さなことから「行動」する(考えているだけではなく、ひとまず行動!)

〇自分を大切にしてあげる(自分の感情や変化を敏感にキャッチ)

〇状況を受け入れる(相手を変えようとか、無理に何とかしようとかせず、まず受け入れる)

〇自分の可能性、持っている力を信じる

〇今だけに着目せず、長期的に物事を見ることができる

などなど。

 

こうやって書いてみると、特に新しことではなく、昔から言われていることが多いかもしれません。

 

もっと何かを知りたい

すごいスキルを身に着けたい

と思って幸せの青い鳥を探していたけど、意外に身近なところに答えがあった、という感じでしょうか。

 

できることからコツコツと取り組み、まずは自分のことを知り、自分を大切にし、困ったときには周りに相談し、心身の健康を保つこと。

そんな当たり前の日常を送ることが、なにより大切なのかもしれません。