桑原水菜 かわい恋 夢乃咲実
リブレ出版
佐々木久美子
⭐️⭐️
3作オムニバス
⑴孤独な鬼×寺稚児
⑵手負の鬼×手当をしてくれる謎の青年
⑶桃太郎 ×鬼ヶ島の王子
時代物ファンタジー
耽美
モブレ有り
BADEND有
不憫系
どの作品も読み応えありました
そしてどの作品にも共通しているのが
鬼の孤独と苦しみ、やるせなさ。
人より永く生きると言う性質、
圧倒的能力のため
人から忌み嫌われる存在として
⑴⑵の攻主役とも
一人で永い月日を過ごしてきた。
その彼らの孤独に応えられるだけの
理由のあるものが、
彼らの伴侶足りれたんでしょうね。
⑴の受主役•香寿丸は、幼くして母を亡くし、
寺に預けられ僧侶達の性具としての
絶望的な日々を送っている。
その上で母の死の真相と父の裏切りという決定的な出来事が彼の心を鬼とさせる。
人が一線を踏み外す=自らも鬼となると言う結末。孤独な鬼•破天(攻)と共に永遠に近い日々を共に過ごしていくと考えればハッピーエンドかな。
⑵の受主役・和氣もネタバレになりますが
村人全員への性奉仕役として
かなりシンドイ役目を負う立場。
表面的には村人皆んなから
丁寧な扱いは受けているが
実際は性奴隷のようなもので
幼い頃から洗脳されて
心が麻痺してしまっている
特殊な人。
そんな彼だからこそ
鬼の牙狼(攻)の事も分け隔てなく
癒し身体を開いたんだと思う。
でも皮肉な事に
鬼との逢瀬が彼を人間に戻した。
彼にしか抱かれたくない。
彼に知られたくない。
そんな和氣のコソコソとした様子を
不審に思い後を付けて真実を知ってしまう鬼。
底から2人が起こすキセキが
本当に美しBL日本昔話みたいで
1番美しい作品です。
⑶はちょっと個性的な
桃太郎BLファンタジーものです。
何と言っても人×鬼の立場が逆転してるんですもん。鬼は圧倒的多数の人間に追い詰められ鬼ヶ島と言う絶海の孤島に隔離されて生かされている存在。滅亡されない代わりに鬼の娘の命をを都に献上しなければ行けないという弱き立場。
そこで立ち上がったのが鬼王の末息子の鋼音(受)
島の使者としてやって来た桃太郎(攻)に反旗を翻す。その顛末はー
こちらの作品はいろいろ構成が凝っていて
逆転したり面白いのでぜひ読んでみて下さい。
あっでもBADENDなのでお気をつけ下さいね。
ハード版316ページなのでなかなか読み応えありますよ。