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もんでんあきこ
クイーンズコミックス
⭐⭐

女衒、殺し屋

近代日本の歴史物
刹那系
女性有
二人のHほぼ無
BAD END


戦争末期から終戦までの
混沌とした日本の中で
闇を這いずるように生きた
女を騙す事を生業にする女衒のキリオと
闇で殺しを請け負うバーテンダーの裕也
二人の男の物語


明確にはBLジャンルではない事をご了承ください
  でも、この二人の
互いへの想いが深くて
ジーンっとしてしまいました
(お互いはお互いの事を徒花、同じ穴のムジナなどと卑下してますが)
読後なかなか抜け出せません。
一人の女と出会い、
今の暮らしから抜け出そうとするキリオのネタを組織のボスに伝えた裕也の気持ちは
どんなものだったのだろう。
唯一の理解者、安らぎだったキリオが
変体していく様を見せつけられるのは
妬心にも似た感情だったのではないか。
 
 しかし、その密告の所為で
自らがキリオ抹殺の任を請ける皮肉。
最期、キリオを慕うその女に殺される事で
自らの想いや迷いを消化出来て裕也は、
本望だってんだろうなと思います。
 お互い平和で安寧な時代では
生きていけない哀しい性なんでしょうね、

ストーリーの読ませ方凄く上手な
先生だと思いました。
短編の集りなんですが、
ワザと時系列をバラバラに
 並べてあり、
図らずも最初の回で
キリオの死を読者に印象付ける事によって
それまでのふたりぼっちな温かさ、寂しさが強調されてようで、深い余韻の作品になりました。