水原とほる
花丸Black文庫
⭐⭐⭐
孤児院で育った幼馴染同士
マフィア幹部×ボスの愛人、
と
マフィア構成員
ヤクザ物
主カプ以外でのHシーン有り
ネタバレなのでこここから
まだ読んでない方は見ないで
下さいね。
BAD END物
孤児として育ったキヨ(受)とダイス(攻)は、
幼い頃より永遠の愛を誓い合って
大人になってからも過ごしてきた。
その二人と孤児院時代から一緒だった弟分のテオも加わって貧しいながらも、
平穏な毎日を過ごしていた。
そんな時、テオが
この街一帯を取り仕切る
マフィアの幹部に捕まったとの
知らせを受けてすぐ、
二人も組織に引っ立てられる。
キヨは、不始末の代償として
組織のボスの一夜の慰み者として
引き立てられる、
次の日ボロボロの状態で帰宅した
キオと共に、
今後は慎ましくそれでも3人一緒の
当たり前の幸せをこれからも
過ごしていけると思っていた矢先、
『ボスがキオを気に入った』
と言われ、
マフィアの構成員が来て
キオは無理やり連れ去られてしまう。
永遠の2人の愛は消えてしまうのか⁈
なんとも美麗な小山田先生のイラストに
つられて拝読しました。
水原作品の暗くて重い雰囲気も元々大好物なので
文字通り迷わず、デス。
けど、終わり方は
賛否両論かな
その事は作者さんも理解していて
あとがきや宣伝シートでも、再三おっしゃっています。
安易なハピ~にこだわりたくないという
以前から
骨太な作品を
多く書いてらっしゃる
水原先生らしいご判断だとは思います
なので、
攻主役のダイスの死は
私もしょうがないのかな
と、納得できましたが、
受主役のキオの死は
納得できませんでした。
作中ダイスが死を前にして
虫の息ながら
『お前は生き延びてくれ』
と言った遺言。
弟分のテオが生前
ダイスに言われていた
『俺に何か会ったらお前がキオを守ってくれよ』
と言う願い。
テオがキオに求めた
『キオ兄がいなかったら僕はどうしたらいいか分かんないよ』
という救い。
これらの想いを含んだ言葉たちは
どこにいってしまうのでしょう?
キオの自死とも言える死に方は
ダイスやテオの想いを踏みにじった形
と言えるのではないでしょうか?
これさえなければ
最高評価にしたいくらいの
名作BLだったんですけど、
けれどこれは個人的な感想なので、
皆さんの感じる想いは又、別の物でも構わないと思います。
作品としてはとても力があって
グイグイ読み手を
このお話の世界に引き込んでくれて
共にこの架空の世界、架空の時代を過ごしているような気さえ感じさせてくれます。
ダイスたちがほんの小さな頃から
キオが30代までと
とても長いお話で
その間に起こるいろんな苦難や
出来事に一喜一憂しました。
お話を読み終わっても
しばらく放心状態でしばらくどんな作品も
すぐには読みたくない
と思わせてくれるのが
私の中では、
1番素晴らしい
作品なのではないかなと思いますが
まさにこの作品は
私にとってそうでした。
キオ、ダイスゆっくりお休み下さいね。
あちらで幸せにね。
テオ、あんまり落ち込まないで一人でもたくましく器用に生きていってね。