松岡なつき 宙出版  佳嶋 ☆

美貌の亡命大公 × 日本人留学生

20世紀初頭ヨーロッパもの

身分違い

純愛もの

第一次大戦後のわずかな平和の余韻をすごす頃、

官費留学生の篠崎和樹()が、

地中海に面した小国でであったすみれ色の瞳の

若き大公イリヤ(攻)。

退屈に嫌気がさしているイリヤに挑まれた勝負に、

自らを賭ける和樹の運命は・・・・。

 運命のルーレットが廻りはじめる、赤か黒か!!

祖国を離れた二人の駆け引きと甘いロマンス。

なんだか ハーレクインものを「性別」変えて

やってみました~といった内容

Hはソフトに。

恋する過程、落とす過程こそが興味深い作品。

佳嶋先生のイラスト(カバーのみ)がそう感じさせるのか

どこか幻想的でロマンティックなシンデレラストーリーでした。

(これがライトグリフⅡ先生だったりするとエロイんだろうけど)

 本当におもしろかったのは和がの手に落ちるところまでかな

モナコがモデルの高級避暑地のカジノホテルでめぐりあい、

ルーレットの賭けの代償に自らをかける。

(よくあるっちゃよくある展開だが)

その他よくある「借金のかた物」と違うのは

最初は「指1本」「右眼」「左手」といったように

パーツ、パーツを差し出す形だったこと

ここら編の下りがすごーく官能的でロマンティックなの、

「これはもう僕のものだから、僕の好きにするよ」

なんて言って、パーツ、パーツにくちづけていく。

公のパーティーの場でも構わずくちづけるイリヤ。

 まあ、その羞恥プレイに懲りて、和樹は

「俺の今までの借財パーツ全てチャラか

俺の全てを3日~3週間限定自由にさせる」

かの新たな賭けをはじめ、もののみごとに賭けに負ける。

 そこからはよくある展開のお話なので

あえて書きませんが、

序章で「彼」をなつかしく思うという設定で

BADENDを読者に想像させ、

終章で、身を引いた和樹がイリヤと再会し、

ハッピーエンドを迎えるなんてとこまでも

(あ~ ハーレクインだ)