菱沢九月 シャイノベルズ 石原 理 ★

おさななじみ ヤンキーもの 

高校2年生同級生カップル

お互いに複雑な家庭環境の中

5歳のころからいっつもつるんでいる岩浅(攻)と高津(受)。

幼いころから一緒の時間をすごし、

いつの間にかなんとなくで身体を重ねる関係にもなった2人だが、

「愛」とか「恋」だとか、

そんな甘い関係とはどこか違っていた。

岩浅にしか懐かない凶暴な性格の高津。

まるで岩浅と高津は飼い主とその犬のような

2人だけの世界に、変化があらわれる。

岩浅の知らないところで高津が勝手な行動に走るようになり、

岩浅は高津を飼いならすことが面倒になってきて・・・。

う~ん これってBLですか

(良い意味で)

角川書店か幻冬舎ならハードカバーで出してくれるんじゃないかな

とっても痛いし、哀しいお話だね

(といってもちょぴっとハッピーエンドだから BADEND嫌な女子にも

 OKだよ)

2人の環境が哀しすぎるの~

岩浅は出来の良い兄弟の中で両親にも無視される男

(あんまり 男っぴくて 高校生でも男の子って言えない)

高津はヤクザとその情婦の間に生まれ、父親に捨てられた

母親と2人暮らし。

その上、母親は精神を病んだ自殺リピーター。

その行き場のない悲しみの激情を暴力と

痛みを感じるアナ●セックスに代行させてしまう

ものすごく不器用な男の子



 最初、2人のとってのSEXは

気持ちよくなるための行為ではなく、

高津の悲しみを痛みに擦りかえるための代償行為と

岩浅にとってはそんな不器用な高津のはけ口になってあげるための

行為だったと思うの。

 高校2年生という危うい、時間を

もてあまして、日々漫然とすごしている。


舞台が地方っていうのも良い。

方言まるだしのヤンキー語が

その世代の鬱屈した高校生の気持ちをリアルに表していて

すごく写実的だった。

(変な日本語でごめんなさい)

ほんと、いまどきの芥川作品読んでたら、

この作品でも十分ノミネート可能なのではってしまいました。

それくらい、とても繊細なガラス細工のような作品でした。

最後2人の心が通い、

お互いがお互いを運命のつがいとして認め合い

身体をかさねるシーンはじーんと来ました。

SEXは愛の行為の1パターンにすぎないんだと感じました。

気持ちよくなるためのものではなく

相手を認め合い、

受け入れる行為なんだね。



ほんと、2人には幸せになってもらいたい。