ごとうしのぶ 角川書店 おおや和美 ☆

超スーパーセレブ高校生 × 天然キャラの庶民高校生 

and

今回の 作品でのメインカプは

「ワンコでへタレなイケメン下級生 × 美形ツンデレ生徒会長」


BL界の金字塔 「タクミくんシリーズ」最新巻!

今回のお話のメインは ギイ&タクミくんではなく

彼らを取り巻く学院生のお話です

祠同学院の生徒会長である三洲新(受)は野沢政貴に頼まれ、

真行寺兼満(攻)に文化祭の文化部側の劇への特別参加を要請する。

三洲に頼まれたら断れない真行寺は運動部在籍なのに

文化部の演目に出ることになって部活の先輩からの嫌味などに悪戦苦闘。

高校生活最後の夏、揺れる親への心情、大学進学、真行寺に対しての想い・・・。

交錯する気持ちを抱え、三洲のさまざまな決断がここに・・・。


サブカプの中でも人気の高い 真行寺&三洲カプ。

しばらくメインカプ中心のお話が続いたので作者様入魂のお話だったのでしょう。

・・・でも本命キャラタクミくん好きの私としてはややさびしい巻でした。


でも、真行寺&三洲にはこれで一つのピリオドがついたかなっ

ホッしました。

また なんで あんなに 三洲会長が屈折したキャラになったのかが

この巻で解ります。

まさか 両親と血がつながらない子であり、

彼がそのことを幼い頃からなんとなく気づいて、遠慮して生きていたからだったとは!

う~ん 痛い、、、

タクミくんシリーズは ごとう先生独特のライトな口語体、表現法で

まさにBLという甘酸っぱい学生特有の恋愛をメインにした作品になっていて

性描写も抑え目なところが

まさにルビー文庫なのですが

(間違っても 花丸BLACK文庫とか シャレードではなく)

けれど、登場人物たちの過去やなりたちはかなりヘビーなものが多いです

このシリーズ主人公のタクミくんも

幼い頃、実の兄に性的イタズラを受け続け、

それを両親に知られたときには自分が兄を誘った

人格破綻者だと烙印をおされ、精神病院に隔離されていた過去があるくらいです

その他にも、レイプ被害者や精神薄弱者など辛いお話が多いのですが、

そこはごとう先生の不思議な魅力ある文体で

ヘビーな作品にならずにいます


長くなりましたが

今回の三洲新さんの場合も うすうす気づきながら

今まで良い家族ごっこを続けてきて

両親の負担にならないように、迷惑をかけないように

気を使って生きてきたのです。


それでも ギイの言葉を受け

家族とは血のつながりだけではない、

愛されてきた確かな思い出が家族を作ってきたこと。

その確かな証があるならば これからも「家族」なんだと

新さんがふっきれたのが良かったな と思いました。


そして ついに新さんが自己の殻を破って

「真行寺のことを好き」って認めたことは

この巻 かなり大きいですね

今までは 「身体だけの関係だから」

と 真行寺との恋愛を絶対認めようとしなかった

新さんは やはり 生まれ変わったんだね~

よかった

新さんのためにも もちろん真行寺くんのためにも

本当 よかったよ~


でも ギイ&タクミくんの幸せな未来も早く見たいな


ごとう先生の遅筆だけが 毎回悔やまれる、、、