樹生かなめ ホワイトハート文庫 ★

天下無敵のエゴイスト男 × 振り回され束縛される男


「不条理な男」続き


世が世ならお殿様である室生邦衛(くにえ 攻)と一般庶民の滝沢明人。

二人の関係が幼馴染から恋人へと発展したのは、

つい最近のことである。だけど、キスから先はお預け状態!

 好きだけど抱けない。抱きたいけど好きだから抱かない。

一生付き合いたいから飽きられない、嫌われないためにこのままで、

なんて邦衛の不条理には付き合いきれない!!

明人、反撃開始!!


やっぱり好きになれない! この攻。

彼の育った環境(父親が女ととっかえひっかえで母親が自分を置いてでていったこと)

をさしひいても、明人への不条理なこの態度はなんだ!

・自分の側に常にいろ

・他人に告白されるな

・でも、抱かない


恋人になったといっても邦衛の性格は変わらない

なぜなら父親譲りの「病気」だから


作品途中、お話をかき乱す役割として

邦衛の異母弟、清隆が登場しますが

あっさり、明人も振ります、

こんなあっさりフェイドアウトなら意味深に何度も登場させる意味あったのかな?


また 邦衛は好きすぎて明人に手が出せないのはトラウマから理解できますが

相変わらず 心では明人を裏切って他の人に目移りしてます


こんな病気男より 清隆くんの言うとおり

「僕のほうが君を幸せにできるよ!」

だと思う。


この作品でたった1つのオアシスは

前回、不本意?!ながら結ばれた

年上麗人 × 平良(たつよし)のその後の話がたっぷり読めたこと

(というか 思いっきり主役の二人に絡んできてますけど)

立良を悪?!の道に引きずりこんだことを気に病んで

自らみを引こうとする麗人・智史さんと初めての恋に臆病な普段男らしい男の平良が

もんもんしてるのがとってもカワイイ!

最後 この二人もハッピーエンドでよかった!

それだけが 救いかな


主役の二人はこれからも今までと変らないループ地獄なんだろうな