綺月 陣 シャイノベルズ 高緒 拾 ☆☆
売れっ子デザイナー × 男娼
耽美 排他的エロス !
「女は間に合うとるんなら、若い男の子はどうです?」
高校時代の友人に強引につれていかれ、
人気デザイナーの諏訪(攻)は梔子島を訪れる。
さびれて、何もない・・・梔子だけが美しい島は、
昔から人身売買を生業とする者が暮らす女郎島であった。
女たちを買う友人をよそに退屈しきっていた諏訪は、
旅館の仲居からこっそりと男娼の存在を耳打ちされた。
「びっくりするほど美しい少年がいる」と。
その場を抜け出す口実として少年に会いにつれて行かれた諏訪だったが、
いつしか少年に溺れてゆき・・・・。
最初読んでて嫌で嫌でたまらなかった!
受がちゃんとした愛情も教育も受けていない純粋無垢(?!)な男の子で
自分のやっていること=売春の罪も羞恥もなにもしらない
ただ おなかがすくから、宿の人がつれてくるから
そして 気持ちよい行為だからと罪なく誰にでも脚を開く
・・・なんだかこの感覚って竹宮恵子先生「風と木の詩」のジルベールを思い出すな~
そこはかとなく不幸のにおいがして先を読むのが恐いよ~
この男娼、タカオも親に捨てられ、祖母に売春の斡旋をされ、
汚い小屋で男が訪れるのを待つ待遇、
何も知らない、ただ快感だけが生きる術という
かよわい存在で、そういった弱い存在のタカオを皆がよってたかって
むしりとっているみたいで可愛そうでたまらなかった
攻の諏訪も最初いけすかない男で
一人東京にでて成功したせいか、
田舎や昔の友人のしょぼくれさをバカにしたところがあり、
上から目線の嫌な男だったのだが、
それでもタカオにあって
あれよあれよと溺れていく様を見ると
あ~これは不幸になるぞ不幸になるぞ~
と思ってどんどん読むのが恐くなっていった
タカオに溺れるあまり
彼を買い取り 東京につれてきたまではいいが、
その結果 四六時中SEXで
仕事が手につかない
家から出れない
タカオの無知もそれに拍車をかけます
「離れないで」
「いつもつながっていて」(文字通り)
諏訪が少しでも部屋からでて一人にされると壊れてしまいます。
(冷蔵庫の中のビールの瓶 、ドレッシングの瓶や部屋にあるTVのリモコン、テ電話の子機など手当たり次第に自分の穴につっこんでいないと安心できないというのは ちょっとこ・わ・い)
こんな状態じゃ
まともな社会生活を送るのは無理~
その結果 島に逆戻り
諏訪も元カノの復讐の暴露行為で
ホモの未成年監禁犯罪者のレッテルを張られ
社会から抹殺されてしまいます
すべてを失い
島にタカオを追って二人堕ちた暮らしの中
ただ SEXにただれる日々
・・・・
ここで 本編終了って?!
これは BADENDですよね~
(久々のBAD ENDだ~)
恐いよ~ ホラーだよ~
泣きたくなるくらい絶望的でした
けど このあと 雑誌連作時にはない
書き下ろしがありました
これも最初は恐い
いつもSEXしていないとキレるタカオ
さすがにそんな元気もなく毎日、自己憐憫にひたりきる諏訪
その上さらに空腹を満たすために
諏訪はタカオの売春の斡旋までしてくる
「エ~!」
ですよ。
こんなんでいいの
二人 なにもかも失ってこんなんでいいの~
そしたら やっと
ハッピーエンドが見えてきました、
落ち込み 罪悪感にさいなまれている諏訪に
「また お洋服つくって」
てタカオの笑顔で自分を取り戻し
究極のエロスな服を作りはじめます
その結果
島をでて
デザイナーとして諏訪は復活します。
社会的制裁をうける立場なのでネットと使った覆面デザイナーですが
それでも タカオをネット上のモデルとして
二人だけの完結した世界を造りあげます
これは ハッピーエンドといっていいんでしょうね
世間から隠れて二人だけの安息の地をみつけだします
それにしても
この作品 全篇 エロの塊です
(ちょっと気持ち悪くなるくらい エロイです)
受が男娼なので あっけら感とエロイことしますし、
視姦、SM、などなどすごいことになってます
そこだけ注意!