かわい有美子 リンクスロマンス あじめね朔生 ☆☆
前途有望な都の公達× 世に忘れられた宮様
東宮となるはずが、策略により世から忘れさられようというように山ふもとの小さな山荘に暮らす皇子、後の桂の宮(受)は、嵐の夜に助けに来てくれてから、ずっと忠誠をささげてくれる前途有望な公達、尉惟(やすちか 攻)を一途に想う。
だが、恋着にふりまわされるのは尉惟も同じく、妖艶な美しさの桂の宮を我が物にと独占欲と執着でがんじがらめにするべく、いろんな謀略を行っていく、
しかし、それが己の出世のために自分が利用されているのかと桂の宮は尉惟のことがだんだん信じられなくなり暗い疑惑がきざしてしまう・・・。
途中、辛くなってページがめくれなくなりました
(といっても山藍作品のような怒涛のSとかあるわけではなく、むしろ 精神的に・・・。)
ファンタジーなんだけど、この時代の家族、政治制度を反映して
夫は妻の姻戚でどんどん力をつけ、結びつき派閥を形成していくため
このカプもそれぞれに女性を娶ります
それが、自分の実の姉だったら!
尉惟は桂の宮をがんじがらめに自分の懐に囲いこむためにどう、だれかと結婚するなら
桂の宮の姉と!と決意し結婚しますが、跡継ぎももうけ、
桂の宮の心中はいかに・・・。
自分も尉惟の勧めでこれまた、尉惟の妹と結婚しますが、こちらは男女の関係にはいたらず
そんなことで、尉惟への消化できない黒い不満、実の姉で怨むことができない上での吐き出せない嫉妬心に悩まされていきます。
↑あたりが もんもんとして受の気持ちになるとつらくなっちゃいます
姉の懐妊を知り、訪ねてきた尉惟に初めてのフェラをするときの桂の宮の心情にぐっときます
~馬鹿げた願いではあるが、尉惟の放つ精を飲み下せば、自分も姉宮のように腹に子を宿すことが出来るのではないかという奇妙な期待が頭の中にあった~
男×男って不毛な関係だけに何か違った形ででもつながりを求めるのでしょうかね
後半はライバル縁戚の呪いにかかり、あっさり姉宮が死んでしまいますが、
これは あまりに安易なのでは、↑の苦悩はなんだったのかというくらいあっさり殺しちゃいますね
また、二人の心のすれ違いも、同じく呪いに生死の境をさまよう桂の宮の生霊を己の身の引替えさせて、退治して、めでたく心の通じあい、ハッピーエンドですが、
政敵が倒れて、御上になれば、ますます 桂の宮は女性を娶らないといけないし、有力貴族の尉惟もそのうち再婚しないといけないだとうし、そんなうまくはいかないんじゃないかと もんもんとする終わりかたです
あんまり、ファンタジーなんだから 悩まさないでね~ 特に女性関係はご法度ね~
それにしても、あじみねさんのイラストはいつ見ても素敵 特にこの方の書く 美形受はぜっぴんです
桂の宮さまの眼がいろっぽ~