華藤 えれな リンクスロマンス 藤崎寛之丞 ☆☆☆


オーストリー帝国軍人 × ヴァンパイア

一族とはぐれて一人ウィーンの森に隠れ住む、美しいユリウス(受)は、幼くして吸血鬼となり、血を飲むことを知らずに300年を過ごしていた。

 ある雪の夜、長年探していた母が人間の家族を襲っている場面を目撃して、衝撃を受ける。

母から少年、テオドール(攻)を救ったユリウスは、彼の傷が癒えるまでともに暮らすが、吸血鬼を憎む彼に自分の正体を伝えられるず、自分を慕う彼を教会に預けて、消える。

 以後、ひそかにテオドールの成長を見守り続けるユリウスだったが、10年後、凛々しく成長を遂げたテオドールにみつかってしまい・・・。


まず、藤崎寛之丞さんってはじめてしりましたがキレイな絵を描かれるかたなんですね

ユリウスの無垢な美しさもテオドールの体育会系?な凛々しい姿もとってもきれいなイラストで楽しみに拝読できました

さて、肝心のストーリーはホワイトハートX文庫やコバルト文庫にしてもいいようなファンタスティックは物語で受を女の子にしたらまんまハリウッド映画にしてもいいようなドラマティックな読み物でした

読者に不快感を与えないようにか、受のユリウスは一族の存続のために無理やりヴァンパイアにしたてられ、それ以後一度も血の飲まずに300年を生きてきた設定ですが、そのキャラたちが違和感ないほど、世間づれした無垢な男の子(といっても310歳くらいですが)、雪の精のような白く輝く肌、絹糸のようなきれいな金色の髪、そして心優しい笑顔と気高い魂にぞっこんの攻、テオドール君はともに森の小屋で暮らした日々が忘れられず、かならずいっしょになろうというユリウスの別れ際無理くり引き出した約束にすがって生きてきました。

たしかに、10年後 再会時、ユリウスの帽子が飛んでそのあたりの人が振りかえるほどの煌くあざやかな美しさですから忘れられないのはあたり前か。

 ユリウスは300歳というお兄さん的 保護者的庇護欲からテオドールを大事に思っていましたが、いつしかたくましく育ち、立派になった彼に胸キュンします(ユリウスはいつまでたっても17歳の体のままなので)

 テオの家族の敵だということが常に二人の未来に立ちふさがりますが、それはお話の中盤あっさり取り除かれます

テオ「彼と母親は別の存在だ」ってなんて理解ありすぎるんだ!ファンタジーだ!

それにつられてテオの親友の神父さんも「いっしょに逃げて二人で暮らすんだ」ってほんとにそれでいいの?

っていうくらい周りの理解?もあって二人はラブラブになりそうなんですが、

ここでユリウスの家族がでてきてユリウスをかっさらっていったり、彼をおっかけてテオがとっつかまったりハラハラどきどきの展開があります。

前半 Hも少なめのソフトな展開なのに(あっても2回、それもかなりソフト)なのに

後半はユリウスが濃厚ピンチ 

テオのために一族を裏切ったユリウスは母の命令で一族観衆、テオドールの前で叔父、ヘルムートに姓奴としてなぶりものにされそうになったり、危ないシーンもでてきます。

ユリウスの正体、永遠の命 変わらないからだといつか消えていく人間テオドールとの愛の行方

ここがポイントだと思います。

終わりかたは少し納得できない部分もありましたが まあ BADENDじゃないのでよかったかな

また おまけでついてる藤崎さんの4コマ漫画が本文とあまり関係ないのですが なごむ~


追伸 まとまらなくてごめんなさい

    長いお話でいろいろ思い入れのあるシーンは多くて伝えきれませんでした