10代後半から30代にかけてお箏を習っていた時期があり、その時の先生を思い出すことが最近よくあります。
知らず知らず影響を受けてたんだなあと感じるのは、その先生の教える姿勢が好きだったんだなあとあらためて感じるからですが、特に思い出されるのは、「この曲合奏すると素晴らしいのよ」という言葉。
その裏には、「あなたも早く弾けるようになって一緒に合奏してね」という期待がありました。
吉田雅楽愛という雅号の先生で、知る人ぞ知る 唯是震一という先生の直弟子に当たられる方。かなりなご高齢になっても、毎月唯是先生が名古屋まで出稽古に来られるので、それにずっと通っておられました。
秋田出身の醤油問屋の生粋のお嬢様育ちで、すっごく自己中心的なところもあるんですが、お箏に関することではいつまでも謙虚な姿勢でおられました。それは即ち、弟子に厳しいということに繋がるんですが、自分にも厳しいので、上下関係があるようでいて、そうではなかったのは、一重に、素晴らしい曲を一緒に合奏できる人を育てる一心さ が感じられたからなのだろうと思います。
厳しいと評判なので、弟子が少なく、大きな会をするとなると一人一人の負担が大変なんですが、いつもプログラムには錚々たる曲がずらりと並んでいました。
普段でも、難しい替手や、お三絃と合わせていただけたのは、貴重な経験だったのだと思います。
師匠と弟子なんですが、曲を合わせる時はまるで対等でした。
あの感覚は、私の中で忘れられないものになってます。
コーチングセッションやクラスをやっていて、最近いつも蘇ってくる感覚。
私には、あの対等な関係が作れているだろうか…
師の大きさをあらためて感じるこの頃です。
