昨日のレッスンではHugo Wolfの”Nachtzauber"(夜の魔法)とAlban BergのNacht(夜)を見ていただいた。

まず解釈について、自分の考えが合っているかどうか確認したく、自分の考えを述べるとともに、先生はどう考えるか教えてもらった。
そこで、共通の「夜」について考えが深まったのでここに記す。

「夜」には不気味、消え去るなどのイメージの他に、昼の日常では見ることのできないものが逆に見えてくる強い魅力もある。

孤独は寂しいと捉えがちだが、いいこともある。自然を五感で感じ、味わうことに集中することができるからだ。

そして夜に孤独を感じるからこそ、過去の温かい記憶に思いを馳せるのだ。その想像の世界は夢のように美しい。

夜中にも電車があり、車があり、眩しい電灯があり、手元には携帯があり、いつでも情報に溢れ、いつでも自分の仕事を片付けられる、いつでも前進しなければ社会に追いつかず休みのない現代。
私達は空を見上げて、月を見て、星を数えて風を感じ、木の葉の色や植物の移り変わりを五感で感じることはつい気にしなくなっていく。感じられなくなっていく。
こんなにも心が貧しくなっていたなんて。この美しい自然のあふれるミュンヘンにいながらさえ気づけなくなってしまっている私。

自然を愉しむ。普通が普通でなくなってきた現代。なんて美しく尊いものでしょう。

芸術歌曲はそれをも思い出させてくれる大切な人類の宝だ。

そしてこの解釈の仕方を、次に伝えるために私もここに記す。