とあるお話しの中で、「私は優しくないかもしれないですよ」という言葉を聞きました。
ご自身で、自分はとても冷たい人間なんじゃないかと思うから。と言われるのです。
私から見ると、とても優しくて素敵な方です。
では、なぜ、「自分は優しくないかもしれない」と感じるのか。
それは、つまり、「優しさ」の認識がとても高い所、もしくは、難しい所に置いてるから。と考えられます。
誰しも、色んな物事にイメージをそれぞれで持っています。
「こういう人が優しい人」「こういう事をする人が優しい人」など、「優しいとは」というファイルの中のイメージモデルがあります。
そして、そのファイルの中身は、十人十色なのです。
つまり、正解なんて存在しない。という事。
私は優しさというのは、瞬間、瞬間に現れるものだと思っています。いつでも、どこでも優しい心が常にあるのではないのです。
時には、冷めた気持ちになる事も、イジワルな気持ちになる事も、あります。
最初に話した方は、そういう自分が存在している事を、「優しくない」と感じている。
人間は、バランスを取りながら生きています。
傾倒してしまうと、生きにくくなるからです。
「優しさ」のバランスもそうです。
自分が生きている全ての時間に優しさを求めてしまうと、生き苦しくなる。
反対側(冷たさやイジワルな心)がないと、倒れてしまう。
人が人らしく、自分が自分らしく生きるという事は、
自分が思う正しさの反対側があるという事をちゃんと認めてあげる。
そういう自分がいるから、優しさがあるんだと知る事が、とても大切です。
優しい人になりたい。
そう思う時は、まずは自分に優しくしてあげて下さい。
他人への優しさは、自分が満たされて、溢れ出た優しさでしか与える事が出来ません。
自分を満たす事。
あなたは、とても素敵な方です。