【 オックスフォードで 出会った学生 ハロウィンでは ありません 】




Facebookの弊害には 少なからず 誰でも気がついている。

知らない場所で 自分の嗜好や意見が 広まったりする。

しかし、「原発」や「集団的自衛権」など、社会に重要な案件に対して、

FACEBOOK上で 「我 関せず」の立場をとって、黙ってしまうという姿勢も

言論の自由という考え方からすれば 私は好きではない。

兎に角、FACEBOOKに載せた以上 自分の意見の波紋を 受け止めるだけの 覚悟がなければ

正しい意見であろうと 多くの一般的な意見であろうと、FACEBOOKに 載せられない。 



娘の FACEBOOKには 少し 偏りがある。

娘は 当然 弱い人の見方をしたい。弱い人の 気持ち 心を知りたい。

医者としては 当たり前の事。

それに 加えて 非常に 政治、歴史に 興味を持っている。

そうなれば、イスラム教国の問題 ガザの問題、 などなど、

当然、娘が 何について勉強するか ・・・ 全て、今の世界情勢の 弱い側。

少し、娘のFACEBOOKが 気になったので注意した。

(ただし、イスラム教国に行こうとしていた北海道大学生程、娘は無知ではありません。)

「 お母さんは、有色人種を差別してる。 嫌いなんだよね !」


本当に、失礼千万 (礼儀に外れること、この上ない) !

ここは、グッと こらえて、

「でも、あなたの患者になった人が もし、宗教戦争の様に思える状況下で

肉親を殺される経験を持った人だったら、あなたのFacebookを 見た時 冷静でいられるだろうか ?  」

娘からは 明確な答えは ありませんでした。

日本の医学部とは違い イギリスの医学部を卒業した場合、紛争地域に行く事だって普通に考えられる。


以前、テレビで WHO で働いた医者が、ある学生から 質問を受けた。

「テロリストが患者として来て 治療をしたらまた人殺しをすると分かっていても、あなたは治療するのか?」

その医者は 悲しそうに

「私達は医者として、その患者が何をしてきた人であるかどうかは 考えず、

まず、助けられる命が 目の前に あるなら治療する。」と答えていた。


果たしてそれが 医者として 最良の答えなのか 私には分からない。




また、多くの日本人の様に 「私は 無宗教です」 というのも 私は好きではない。


宗教は 哲学の一部であって、

社会や 周りの様々なシガラミに作用されない個人的な深いアイデンティティの現れだと 私は 考えている。

(補足)アイデンティティ:(自分は何者であり、何をなすべきかという個人の心の中に保持される概念。)


私は 娘に ○○教というものにとらわれず、しかし、しっかりとした信仰を持って欲しいと願っている。

挙句に、世界の紛争は 表面上 宗教色をおびている。そんな中で 仕事をしなければならない。

このように微妙で深い人間性に関わることを 患者と医者という立場だけで 相手に伝える事など、

可能なのだろうか?

しかし、命を預ける患者側にとってみれば 「この医者は どんなことを考えている?」

と知りたいのも当然な話。


『 FACEBOOK 』、『 言論の自由 』『 宗教 』、『 人間の命の重み 』 どれもこれも 未だに答えがでない。

私としては、娘が 6年の間に 明確にその事について 答えを持つことを望んでいる。

そして、私も、これらの問題を いつまでも棚上げにしておきたい気持ちもあるけれど

ある程度答えを出して 娘に伝えなければならいとも 思っている。