敵というと聞こえは悪いかもしれませんが、ビジネスは平たく言えば戦争ですよね。

マーケティング理論も有名なランチェスター理論を初め、軍事戦略を転用したモノが多いですし。

ということは、やっぱり勝たないと何にもならない。

余談ついでにもう一つ。

最近昭和史とか勉強していて思うのは、二・二六事件、仮にあのタイミングで”反乱軍”がクーデターに成功したら、彼らは歴史の中では正規軍になったんだろうということ。一時、軍の上層部が彼らの行動と心情に共感し、”陸軍大臣告示”であたかも彼らを正規軍のように扱った瞬間があった。最後の戦略的な詰めがなく、結局は反乱軍として断罪されるが、それは戦略を間違ったから。

勝つということは、いかなる手段が勝ちうる戦略であるか、”敵を知り、己を知れば百戦危うからず”と孫子も言っているではないか。


長い余談になったけれど、目下のわれらの敵は不動産ポータルサイト「ホームズ」を運営し、去年マザーズにも上場を果たした株式会社ネクスト


リーダー・チャレンジャーというポジショニングで言うと、売上・UU数・物件数・反響数等々、指標によってポジショニングは変わるが、正直、勝っている気がしない。数年前は圧倒的に勝っていたにもかかわらず、この数年間で追いまくられている。

創業してわずか10年間で、年商80億円に至ろうとしている。(IR参照)


なぜ彼らがそこまで成長できたか?


① ポジションニングを理解し、やるべきことを絞ってやりきった

 → 当初は資金も人的リソースも乏しいベンチャー企業。リーダーである大手と同じ戦いをしても勝負ならないため、商品をシンプルにし、窓口を広げることに注力(売上=窓口数×単価)


② カスタマー特性を理解し、必要な投資をかけていった

 → 価値はカスタマーからの反響数。ゆえに、どれだけ多くの反響数を返すが勝負。

   そのためには、カスタマーが欲していることを探り、トライ&エラーでいくつもの打ち手を打っていった。その中の、要するべき人材は、営業ではなく、ネットリテラシーの高い人材、システム開発を自前化できる人材と割り切った。成長のフェーズにあわせ広告宣伝予算も惜しげもなく投下。


③ 経営者の経営観

 → 戦略の話をするときに忘れがちだが、経営者のまっとうさ。青臭いことかもしれないが、私利私欲のための事業を営むのではなく、”世のため、人のため”に事業を営んでいる。社会の役に立つにはどうすればいいか、人が部屋探しに不自由しないためにはどんなサービスを提供してやればよいか、発想の原点は会社が成長しても変わらない。


そんなまっとうな会社と戦うときに、自らの武器が十分かというと、資金も人もあまり十分とは言えない。会社は儲かっているかもしれないが、利益確保が優先されるあまり、必要な投資がなされない。

まあ、あまり愚痴を言ってもしょうがないので、リソースが限られているとするならば、やるべきことを絞り、是が非でも勝ちに行く。


そういうまっとうな強い会社と戦えるなんて、そこいらのビジネススクールでは学べない、貴重なケーススタディ。1年後はゼッタイに水をあけてやりたい!