川口市はかねてより、旧栄町公民館跡地及び周辺地区に新美術館を建てたい、という市長の公約の下、

何やらごそごそとやっていて、不穏な動きだと注視していました。

 

昨年までは、市長の諮問機関である審議会で建設候補地が3案上げられており、また、最終答申には具体的な候補地名は何故かありませんでした。

 

ところが急転直下この3月に、やはり旧栄町公民館跡地及びその周辺地区での建設を「目指す」と、候補地を一案に絞った建設計画(案)が出て、

あわせてその計画案へのパブリックコメント募集が始まってしまいました。

 

以下は、その動きを察知した先月末に、市長に向けて出した質問のやり取りです。

 

回答の中で市長は、

「当市としては、当該地区で事業者が提案活動を行っていたことは認識しております。同事業者の提案は自主的な民間活動として捉えており」としていて、

 

民間業者が公用地を対象とした事業提案を周辺住民に行っていたことを公に認めました。

 

公用地にマンションを併設する再開発の案を、行政が計画案を出すはるか前に具体手に周辺住民に提案して回ることに問題はないのでしょうか?

 

また、それを看過していた行政にも、果たして問題はないのでしょうか?(むしろ手を組んでいたりして。。。。)

 

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市長への手紙 2021.02.26

この3月議会での施政方針ほかにて、市長によれば、
「本市が所有する旧栄町公民館跡地を含む栄町3丁目11番地区の 再開発事業により、美術館の建設を目指す」とのこと。

 本件、周辺住民への説明、意見聴取、合意形成については、パブリックコメントの募集以外にはいかが進められますか?

 かつて市長が上記と同様な意向を示して新聞記事となりまして以来、GA建設設計社により当該地区に隣接のマンションであるセントラルコーポの区分保有者らに対して、少なくとも3回にわたって説明が行われ、建設案の外観図や区分ごとの金銭面での負担の具体案などの説明とともに、言わば再開発合意形成への「説得」ともいえるような動きがなされています。このことはご認識でしょうか?公用地である当該地区の再開発について、計画立案のはるか前に一業者がこのような具体的な動きをすることは、果たして適当でしょうか?まったくの勇み足ともいえる大問題であると考えます。怪しからん行為です。

もしご認識でなかったら、市の調査認識及び把握の不足と言わざるを得ません。直ちに適切な対応を、当該業者に対して断固として取るべきです。また一方でご認識であったとしたら、市が業者の営利活動での公用地に関する越権行為をみすみす看過しているばかりでなく、助長していることとなり、やはり大きな問題です。いずれにせよ本件について、進め方や新美術館の必要も含めて反対の声が地元では少なくありません。

 以上、本件に関する業者の動きへのご認識、および、十分に住民の声、市民の声に耳を傾けるための具体策(パブリックコメント以外)についてお聞かせください。

差出人: 市長(市長への手紙) <mayor@city.kawaguchi.saitama.jp>

日時: 2021年3月19日 15:30:18 JST
宛先: enzo-the-diver@i.softbank.jp
件名: 「市長への手紙」回答
 

福島 啓介 様

日頃から市政にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
また、「市長への手紙」にご意見をお送りいただき、誠にありがとうございます。
お尋ねの「業者の動きへの認識」につきまして、当市としては、当該地区で事業者が提案活動を行っていたことは認識しております。同事業者の提案は自主的な民間活動として捉えておりますが、ご意見を踏まえ、近隣住民から誤解を招くような活動は自粛するよう改めて申し伝えるとともに、今後も適切な対応を行ってまいります。
美術館につきましては、川口市美術館建設基本構想・基本計画審議会の答申を受け、整備を目指す候補地を決定し、現在パブリックコメントを実施しているところでございます。市民の皆様に対しましては、川口市美術館建設基本計画策定後に、美術館の基本計画を広く公表するともに、様々な機会を捉えて美術館計画の説明をしてまいりたいと存じます。

令和3年3月19日
川口市長 奥ノ木 信夫

なお、この件に関する担当は、再開発等建設準備については都市整備管理課、美術館の建設候補地の選定及び施設内容等については文化推進室、になりますので、よろしくお願いします。