明日からこちらの
ファンミの応募が開始されますね☺
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君の命に口づけを
燃えるような赤と黄色い季節に出会った少年が
大したものではないと置いていったもの
それを見て手に取った瞬間に
何故かこれはあの子の命そのものだと
心と体中の細胞が叫んでいた
神出鬼没で心の距離もまだつかめていない
心の中をさらけ出すのは育ち的に得意ではない
けれども最近は無意識にこの命に口づけして
しまうのだ
この気持ちはなんだろう
知りたいような
知りたくないような
少年と共にいる時はこれはわたしの体の一部になっていて特別思い出す事も
唇を寄せる事もない
しかし、少年がいなくなると途端にこれに
無意識に触れてしまう
そして
唇を寄せる
わたしは他の人間と情を交わす事など
思いもしないで生きてきた
しかしあの少年を想う時、今まで築きあげてきた
物が足元から崩れさる予感に震える
それは言葉にするのなら背徳の予感
いつか自らも逃げられない時がくるのだろう
それは恐れよりもむしろ体中が甘い毒におかされて
いくような
桃源郷の中に佇んでいるような酩酊感を
もたらすのだ
(終わり)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240524/11/keik1019/6f/8f/j/o0811108015442690023.jpg?caw=800)
木漏れ日の昼下がり
「なあランジャン、今日は何の日か知ってるか?」
「わからぬ…」
伴侶の音でいうのなら一番低い声が呟く
「くく、だろうな。今日は口づけの日だ」
「…君は今日は天気が良いと話す口調で
…なんでも話す」
「お前が深刻に考えすぎなんだ。口づけか、
思いだす口づけはやはりあれだな?」
「…」
藍忘機は自分に寄り掛かる男を優しく起こして
立ち上がろうとした
「おっとランジャン逃げるなよ。俺は時々思い出すよ
あの嵐のような口づけを」
昼下がりの静室の縁側で話すにはいささか
艶が過ぎるがそれでもこの男はそんなこともおかまいなしに呟く
「あ〜いい天気だな〜ランジャン」
「そうだな」
「お前とこうして過ごす時間が一番幸せだ」
「わたしも…」
「でも俺は欲張りだからもっと幸せな瞬間が欲しい」
その言葉を聞いて藍忘機は
迷わず愛しい男を抱きしめた
そして昼下がりの木漏れ日の世界から情人達が濡れる闇を纏いし口づけを
愛しい男に捧げるのだった
(終わり)