もう一つの準決勝 カナダーアメリカ戦は延長120分の大激闘ののち3-4でアメリカが辛うじて勝利した。
カナダの善戦は容易に予想できたが、まさかここまでとは思わなかった。今初に行われたオリンピック予選決勝で4-0と惨敗、壮行試合でも2-1で敗北、そして日本との初戦での敗北。
それからすれば、いくらパフォーマンスがあがったとしても、アメリカとはまだ力の差があると思えた。
しかし実際は最後までカナダが先行し、アメリカは「疑惑の判定」といわれるものも含めてしか勝つことができなかった。
カナダの躍進の原因は、何よりもオリンピックを通じて培ってきた組織性、チームワークに求められる。これはイギリス戦でも発揮されたが、アメリカ戦でも攻守にわたって発揮された。
アメリカは早い段階からプレスでボールを奪いに行き、サイドからRapinoeのクロス、そしてセカンドボールを奪取して再攻撃を行ったが、カナダはそれほど浮き足立たず、バイタルからボックス内をよく抑えた。早々にオウンゴールした壮行試合とは大違いである。
そして隙を見てTancrediが飛出し、19分にはボックス左でのFK。
これを機にアメリカが戸惑いをみせ、22分、左SBのNaurtがあがり中央のTancrediがポストで、Sinclairがゴールでカナダ先制
カナダはすぐ守備からカウンターへ切り替え。Rapinoeには執拗にマーク。さらにMorganは自由にしてもWambachへのラストパスは絶対に通さない。クロスのハイボールはカナダ有利。ボックス内守備は本当に組織的。
カナダリードでハーフタイム
後半もカナダの精神力は健在、何度もCKは与えるがゴールだけは許さない。だが54分、RapinoeがまさにピンポイントのCKから直接ゴール
少し前のカナダならこれであきらめムードが出ていたろう。しかしカナダ少しもへこたれない66分Kyle投入。
その直後、KyleのマークではずれたTancrediの左奥からのクロスにSinclairが67分2点目のゴール
ところが今度はアメリカのRapinoeも70分、サイドチェンジからボックスギリギリから反対のポストに当たって入るすばらしいミドルシュートのゴールでまたも同点
今度こそ終わりかと思いきや攻めるカナダ、73分CKからなんとSinclairがハットトリックゴール
76分アメリカはLeroux投入で3-4-3の前がかりに。
そして79分、「事件」は起こった。
76分、アメリカのCKをキャッチしたカナダのGK、Mcleodがそこからの遅延行為でファールで間接FKをとられる
このボックス内での間接FKでカナダはハンドを取られてWambachがPKを決めて同点
ビデオで確認したが、確かに動作はゆっくりしているが、故意の遅延行為とは言いがたい。試合後、この判断はカナダで不当な審判と問題になっている。
またGK、Mcleodも「自分でカウントしており、遅延はない」と言っている。
それに対して、Yahooの「Abby Wambach's brain provided crucial assist to U.S.women's soccer's coimeback against Canada」によれば、Wambachは、前半からカナダのGKが15秒以上ボールを持っていると考え、「レフェリーの隣で10秒カウントしていた」とのことである
いくつかのニュースによれば、FIFAは、カナダ選手の刺のある言葉に対して調査をすると書かれており、カナダチーム側では、もう銅メダルに向かって気持ちを切り替える、と述べられている。
同点に追いつかれてからもカナダは果敢に戦った。
90分戦い抜き延長へ。両チームとも消耗戦に入り、足がつる選手も出る状況。しかし徐々にカナダが動けなくなり、PK戦に入ると思われた後半アディショナルタイム3分、まさにギリギリで左サイドを突破したO'ReillyからMorganがヘッドでゴール、決勝点
しかしまた削られながらも交代を拒否してピッチに戻ったカナダのScottなど、カナダは最後まですばらしいファイトを見せた。
ワールドカップで1勝しかできずに泣いたカナダはここまで来た。
Wambachは、決勝進出後
「W杯で負けた後、日本との対戦を望んでいた。W杯と同じ結果にはならない」
と述べた。
最後の最後の最後まであきらめなかったアメリカ、いよい再決戦である。
エンディングかカナダのオリンピックソング『Golden Dreames』
このブログは一応毎日午後7時(日本時間)までには更新予定です
※いつもたくさんのかたにおいでいただきありがとうございます。
できるだけ読者、なう、またはTwitter登録お願いします