EURO20013日目はスペインーイタリア戦。
初戦でもったいないカードばかり続くが、確かに初戦だからこそこれだけの激闘ができるのかもしれない。
経済ニュースでは危機が報じられるスペイン、その後詰に控えるイタリア。しかし会場を満杯にした活気はどうよ
開幕戦のギリシャサポがいかにもみすぼらしく来てた姿とは大違い。しかもスペイン王族まで来ちゃってるしさすが危機の中をアフリカまで象狩りに行ってた国は違う
ヨーロッパ一の金満国でありながら開幕戦にも姿を見せない、現代のマリア・テレジアことメルケルおばちゃんに叱ってほしいもんだ。
イタリアチーム、どん底のさらに2番底がつきそうなイタリアサッカー。
南アフリカWカップのときにはアルマーニで見かけを飾っただけのいかにもチンピラっぽかったが、今回は地獄を見た下克上マフィアの危険な匂いをぷんぷんさせていた。
対するスペイン、世界王者でEURO二連覇を狙うチームだが、どこか悲劇のかすかなテイスト。最終の番人プジョルを欠き、さらに猛犬ビジャがいない0トップ。
ゲームが始まった途端にまさに目を疑う光景が広がる
なんとイタリアが前からプレス
しかも最終ライン3バックを高く保ち、コンパクトゾーン
スペインにこれをやろうと思ったチームは残念ながら結局は負けて負け犬の道を一歩一歩たどりながら最終ラインに辿りつく。
しかしイタリアまるでゴールがすぐ後ろにあるかのようなカテナチオそして従来のディフェンス能力を生かしてボールを奪ってすぐ攻撃に切り替え下がるにしても実に守備網を張りながらの後退
このところ川澄奈穂美物語の関係上愛読している少年サンデー史上最強の弟子ケンイチで、「制空圏」という言葉。達人同士で必殺の一撃を与える前の無数の手数をわずかな間合いで合わせるシーンだが、まさに制空圏同士のぶつかり合いがサッカーでリアルに実現するとは
とにかく制空圏同士のわずかな乱れが決定的チャンスを生むが最後に待ち構えるのはカシージャスとブッフォン
これをやって最初にネをあげるのはスペインと対決するチームだが、今回ネをあげたのはスペイン。後半ロングボールを放りこむ。やはりビジャがいないのが痛い。さらにプジョルが居ないので後ろから押し込んでいく気迫が足りない。
そこを逃さず食いついたイタリア、60分ピルロからすばらしいスルーパスでさらに曲者ディナターレの曲者ゴール
必殺「魔非亜暗殺拳」
先制したイタリアは攻めるのか守るのか、わずかな意識の違いが生じたように見えた。すなわち前は高め、後ろは少しラインを下げ、そこにすかさずつけこむスペイン。63分瞬く間にイニエスタ、ダヴィドシルバ、セスクとパスを通してゴール
炸裂「闘牛舞踏拳」
それからのスペイン、いよいよトーレス師匠のご登場で攻勢に移るも、師匠、まだ今のイタリアの守備を最終的に崩すまでには至らなかった
イタリアも多分ここで勝負を決めるつもりだったピルロからのまさに伝家の宝刀ロングボールの裏への飛び出しが炸裂するが、双方ともタイムアップまで手を止めないすばらしい攻防だった。
師匠の飛び出しに老子ブッフォンが奥義「手不使用足絡」で止めるという名場面も見れたし
双方の観客ともすばらしいオペラを見終わった後のカーテンコールのように、お互いを称える拍手を惜しみなく送った。
この中にはローンを抱えながら居てもたまらず来た人、マフィアの借金の催促から逃げて来た人も絶対居るはずだ。彼らは多分止まるまですばらしい夢を見続けるだろう。
そして両チームがどこで止まり悲劇のスイッチが入れられるのかあるいは入れられないのか
それはサッカーの神だけが知っている。
エンディングはイタリア歌劇、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』より美しい間奏曲
夢を見た恋人2人のどこにでもあるような悲劇を美しく、優しく盛り上げていく音楽。
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