以前、航空機リース事業は高い参入障壁に守られていますと投稿しましたが、
今度は航空機その物の価値と航空機リースを取りまく環境について書いてみたいと思います。
1995年に運行されていた航空機は全世界で12000機でしたが20年余り経過した現在は全世界で23000機が運行中です。
航空機リースの状況は1995年が全体の17% 現在は42%に上ります。
航空機の機体数とリース機は20年前から右肩上がりで増え続けています。
理由は世界経済が発展すればするほど人と物の移動が活発になるからです。
世界経済が発展しているのかどうかピンと来ない方もいるでしょうが、先進国は後進国に対してインフラを含めて莫大な資金を投資しています。
インフラが整備されると経済が発展し新しいビジネスが生まれヒトとモノを大量に移動する必要が出てくる為、空港が建設されます。
上記はわかりやすいように後進国を例にだしていますが、上記の経済発展による空港建設という現象は全世界レベルで起きている事象なので航空機の需要も右肩上がりになっています。今後の20年で航空機の数は46000機になると予測されています。
航空機の供給について
航空機を供給している会社ですが造船や自動車のように乱立していません。
近年は年間にボーイング社が563機、エアバス社が688機の機体を納入しています。
一日当たり両社ともに巨大な航空機を1.5機ペースで毎日製造しています。
航空機を供給している会社ですが造船や自動車のように乱立していません。
ボーイング社とエアバス社の2社で全世界の96.8%を供給しています。
一日当たり両社ともに巨大な航空機を1.5機ペースで毎日製造しています。
それ以外の会社もシェアを拡大しようと日本は三菱航空機や本田技研、ロシアや中国も参入し、しのぎを削っていますが、航空機の開発には巨額の資金力と高い技術力、そして許認可を取得するノウハウが必要で参入障壁は非常に高く例え実務運用レベルにまで開発出来たとしても、許認可や量産体制を整えるのは並大抵な事ではなく、ボーイング社とエアバス社のシェア96.8%を切り崩すのは、ほぼ不可能と言ってよいでしょう。
ボーイング社とエアバス社は長年にわたり航空機を製造しており、当然様々な工程が効率化されています。
この効率に後追いの他社が追いつくのは、並大抵の事ではなく、ボーイング社の製造工場はギネスに認定されるほど巨大で4万人の従業員が秒単位で航空機製造に携わっています。
航空機リースがなぜ必要とされるのか。
ボーイング社とエアバス社の2社寡占体制で航空機の需給は逼迫していて
注文から納入まで最短で5年かかり、今現在で10年先まで予約で埋まっている。
ボーイング社とエアバス社の2社寡占体制で航空機の需給は逼迫していて
注文から納入まで最短で5年かかり、今現在で10年先まで予約で埋まっている。
大手航空会社は10年単位の長期航空機納入計画を立てて実施しているが
経営上成長の好機に恵まれても航空機が足りないという事態に陥る。
この時に航空機を発注しても最短で5年かかる為、即時納入されるオペレーティングリースは有効な選択肢となります。
航空機リースは前払い金が不要
大手航空会社でも航空機を購入する時は大金が必要になる為に資金を借り入れるのが普通です。(大手でさえ財政が圧迫されます)
新規参入した航空会社での航空機購入は巨額の資金を借り入れる事により財政を圧迫し経営状態が悪化するリスクがあります。(資金繰りが悪化し最悪倒産)
さらに航空会社の収益の目安は航空機を10機以上運用できる状態になってからなので、最初から10機分購入し事業がを展開していくのは現実的ではなく前払い金が不要な航空機リースを利用するのが必然となります。
世界レベルでの経済の発展により新規航空会社、新路線が増えていくので、航空機リースの需要が伸びるのは必然なのです。
お気づきになられた方もいらっしゃると思われますが、航空機リースはグローバルで展開されているので、景気に左右されません。
航空機リースが景気に左右されない理由
航空路線は廃路にすると他社が参入して使うため、手放したらもう一度使うのは、ほぼ不可能な為、旅客者数が減って採算が合わなくても将来の為に路線を手放さないのが普通です。
過去45年で旅客者数が前年を割れたのは4回しかありません。(湾岸戦争、911同時多発テロ、SARS、リーマンショック)
そして旅客者数が落ちたとしても航空会社は航空便の路線を簡単に減らしたり変更したりはできません。
そして航空機リース契約の期間はおもに5年~10年が一般的であり、この間、航空会社がリースした機体を使っても使わなくても、毎月同じ金額のリース料金が発生します。
(機体のメンテナンス、車検に該当する機体の検査等も借りた、航空会社がやらなくてはならないのでリース会社側のリスクは非常に少ない)
一度リース契約を結べば、航空会社が破綻しない限り契約期間内はリース料金が安定的に発生するのが航空機リースの最大の強みだと私は思います。
参考著書「無敵のグローバル資産航空機投資」
幻冬社
↑これを読めばヤフー板等に書かれている書き込み等がいかに無意味で時間の無駄なのかがわかります。
amazonなどの通販で1600円程度で購入可能なので
JIA、FPG、マーキュリア等リース系の株式に投資されている方、これからしようと思っている方にお勧めです。
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JIAと無敵のグローバル資産航空機投資②に続きます。