小説風味の戯れ言。
(相手は龍2の龍司ですが、彼女は自分が描いた理想の女性という事で自分じゃありません)








ワンルームマンションの前に車を止めると程なくして彼女が出てきた。

スキニージーンズにブラウンのロングブーツ、それに白いブラウスと大人の女性が好むカジュアルな格好をしている。


少し開いた胸元では控えめに光る宝石がひとつ。
それは龍司が彼女の誕生日に贈ったダイヤのネックレスだった。


やはりもう少し大きいダイヤの方が存在感があって良かったのではないかと龍司は思う。

しかし彼女がこれが良いと言ったのも頷ける程にそれは彼女の一部として溶け込んでいた。






『ごめんなさい待った?』

すぐさま助手席には乗らずに、運転席まで廻って謝罪する律儀さは最近の無遠慮な女とは違うと龍司は思う。

その律儀さに応えるように龍司は運転席を降りた。


「待ってへん。今来たとこや」

『本当に?ならいいんだけど』

「ホンマや、そないな事より早よ車乗り、今日は少し足伸ばすで」


龍司は助手席のドアを開けてやると彼女を車に乗せた。





龍司は彼女とのデートの時、ベンツのゲレンデタイプを運転する事にしている。

それは彼の所持しているセダン車はどれもグレードが高く、いかにもヤクザ感が漂っていて彼女のような堅気の人間は乗車するのを躊躇うからだった。


しかし、けして彼女が龍司の仕事を知らない訳ではない。

龍司と知り合ったきっかけも龍司が贔屓にしているキャバレーで彼女がバイトをしていたからだ。


けれど彼女は根っからの水商売女ではなく、年老いた祖父母に仕送りをする為に風俗で働いていただけの事。
結局水に馴染めず店を辞める事になった彼女に声を掛けたのは龍司の方だった。


一目惚れという訳ではないが、一目見た時から水商売の女とはどこか違う彼女に惹かれていた。

甘ったるい猫撫で声ばかりの安っぽい女と違い、どちらかと言えば知性の漂うクラブの女という感じが合っている彼女。

どこか一本芯の通った強い意志が龍司を惹きつけて止まない。








続く…