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こいつほんとなさけなすぎだろwwwww


第314話「騒動XIII」

。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜



せんせぇは…

いつ私と別れても平気なんだなって思った。

本当に私のことを好きでいてくれたら、
こんなに簡単に別れてもいいなんて言うわけないもの。






静香の言うことは理に適っていて…





あのとき、俺は…

まさに彼女が言うように…















もう静香とは別れたっていいや…


















そう思っていたのだから…





理由を聞いてみようとさえしなかった。


感情の赴くまま、
言葉を吐き出してしまった俺なんかに、

反論する資格なんてあるはずがなくて…
















俺は…


自分が言われたことで、
自分がどれだけ傷ついたか、そればかり考えていて、

俺が口にしたセリフによって、
静香がどれだけ悲しい想いをしたのか、
何一つ考えてなかった。












自己中なのは…




























どっちだよ…












































「俺のこと…
もう信じられなくなっちゃったか…」







「今は距離を開けたいの…

お願い、せんせぇ…



好きな人を
信じられない自分が嫌。
疑ってばかりの自分が嫌。
嫉妬ばっかりの自分が嫌。

このまま一緒にいたら…

せんせぇにまた
どんな酷いことを言うか
自分でも分からないの…



お願い…

今は…

お願いだから…」











泣きながら、
必死に訴える彼女を見て…


















もう…





















何も言えなかった…























力なく部屋の壁にもたれかかると、
どっと全身の力が抜けたわけであり…



目の前の静香が…

手を伸ばせば触れられる位置にいる彼女が、
異様なまで遠くにいるように思えた瞬間、










終わった―――







そう思ったんだ。









































もう…




面倒くさいこと考えたくない…
























壁にもたれながら、ぼ~っとし続けた。


いつもの俺なら考えれないことをしていたと思う。


いつお母様がお茶を持って入ってきても
全然おかしくない時間だっていうのに、

カモフラージュにテキストを手に持ちもしないで、
こんなにやる気ない態度で、
壁にダラ~ッともたれかかる姿を見られでもしたら…

そんな当然至極のリスクすら頭に入ってなかった。





















じゃあ、ぼ~っとしているオッサンが
何を考えてたのかと言うと…




明日からのお盆休みどうしよっか…

暇だよなぁ…
ゴロゴロするしかねぇのかぁ…

テレビ、なんかいいのやってかなぁ…?


な~んて暢気なことを
思い浮かべていたわけであり…











あ…


市川先生でも遊びに誘ってみっか?
ガキどもにお似合いだなんて言われたことだし(笑)

って、断れるに決まってるけどな(汗)
あの人、俺のこと嫌いなんだから…_| ̄|○ililil


ってか、あいつら勝手なことばっか言いやがって、
ホントムカつくよなぁ。

な~にが松浦先生は絶対無理だから、
市川先生にしとけ、だよ。


ったく…















このとき…

うろ覚えだからハッキリそうだったとは
言い切る自信はないんだけど…

静香がちょっと心配そうな顔を
見せた気がしたんだよね。


もしかしたらさ、静香のヤツ…

俺、真琴たちのやりとりを思い出しているうちに、
ついついおかしくなって、
頬をゆるめたりしたもんだから、

振られて気が狂しくなったのか?!って、
心配したのかもしれないね…




はは…



なんか…面白いよな…
















え?



こんなときに何を考えてんだって?



他の女のことを考えたりして、
いい加減すぎじゃねぇかって?



































分かってるよ…





そんなこと…
































言われなくたって
分かってるんだよっ!!













でも…



それでもこうして、
他のことを考えてないと…



今すぐ、この場で…





























叫びたくて…

泣きたくて…

怒鳴りたくて…








今にも発狂しそうな自分を
抑える自信なんて
全然ねぇんだからよっ!!































仕方…ないじゃないか…











































このあとのことは…






正直よく覚えていない。


とりあえず、お金ももらっている以上、
勉強をやらないわけにもいかず、
多分、家庭教師をしたんだと思う。

そんでもって、
とりあえずは無難にこなしたらしい。

「多分」とか「らしい」というのは、
ご両親から特にクレームを頂いてないし、
多分、大丈夫だったのだろうと推測したまでの話。




あっ、そうだ、そうだ。

結構ギリギリのタイミングで、
お母様が入ってこられて、

や、やばかったぁ…

冷や汗をかいたのは覚えてマス…(汗)







それと…


残りの夏休みの間の家庭教師は
無しってことに。


えっと…
お盆の間は、俺も実家に帰らないといけない、

そういう理由を無理やり作りまして…
もちろん本当は帰るわけないけどな(汗)


連休後は講習が半端なく忙しくて、
休みが取れず家庭教師は無理。

ということで納得してもらいました。




静香のご両親二人とも、


「そうね。普段あまりお会いになってないんでしょ?
たまには親孝行なさったら?(笑)」



「うん。ヒカル君のご両親も喜ぶと思うよ」


そう言って下さってさ…


















なんか…


嘘をつくのって…


嫌だよね…

胸がズキズキ痛むし、
悲しくなるっていうか…








ハァ…





































家に帰ってから…



暗い部屋の灯りをつけ、
ソファーの上に倒れるように寝転がる。




せっかくの休みだっていうのに、
やりたいことなんて何もない。

せいぜいテレビを朝から晩まで見続けるだけ。




でも、今はそんな気にもなれなくて…






寝転がったまま、大きなため息をついたあと、
なにげなく斜め上に視線をやると、

視界に入ったのは、8月のカレンダー。


それは…

お盆付近全部にピンク色のカラーペンによって、
印がつけられていてさ…










そう…



男の一人暮らしには、
これ以上の不釣合いはないっていうぐらい、
違和感丸出しのハートマーク…(汗)





これを付けられたのは、
2ヶ月以上も前のことだったか…


遊びに来た彼女が、
カレンダーの前でゴソゴソしているのを見て、





・・・・・・!!!



あ、この野郎…(汗)









「お前さぁ…
自分がなんだか分かってんの?」



「え~、なんだろう。
わかんな~い♪」




そう答えながらも、彼女は
キュッキュッと音をたてながら、
カラーペンを動かす手を止めねぇでやんの(汗)



「お前ねぇ…
受験生だろ、受験生っ!!!
そのハートマークはなんなんだよ?!
もしかしてそれ全部デートする気じゃねぇだろうな?!」



「えへへ~。
する気だよ~ん。」




「はぁ?!」



「ねぇねぇ、もし成績が上がってたら、
お盆ぐらいデートしてよぉ?
頑張るからいいでしょ、ねぇ、いいでしょ?」




「いいでしょって言われてもなぁ…(汗)」



「やったぁ、約束ぅ♪」





い、いや、まだ約束してませんけど…



と焦りながらも、

嬉しそうにペンを動かす彼女を見て、
彼女のことが愛しくてたまらなくて…


それ以上、反論する気も起こらなくて、
ニコニコ見守っていたことを思い出したわけであり…




















立ち上がって、カレンダーの前に立つ。


俺が一生かけても絶対使わないような、
女子高生特有のまんまる字で、

「デート(はーと)」

とある…。




なんとなく…

カレンダーの上から、
このハートを指でなぞっているうちに…







不意に目頭が熱くなって、
目元にジワッとたまってくるのを感じたわけで…



そう感じたその瞬間には、
涙の雫がいくつもの筋を作って、
頬を伝いはじめていました。






頬が熱くてたまらなくて…


涙の筋がまた新しく出来るたびに、
熱くて熱くてたまらなくてさ…

































静香ぁ…










お、俺…










俺さぁ…ううっ…














お前のことが好きなんだよ…?









メチャメチャ愛してんだよぉ?













なのに…うう…








なんで別れなきゃいけないんだよ…








うううっ…























ど、どうして…









どうしてなんだよぉ…









こ、こんなに好きなのに…ううっ…














お、お前だってさ…



俺のこと…
好きだって言ってくれたじゃねぇかよ…







好きなら別れるっておかしいだろ?







す、好きだって…言ってくれたのって…
嘘だったのかよぉ…




















うう…









や、やだよ、俺…









別れたくねぇよ…





















考えられねぇよ…









お、お前がいないこれからなんて…








俺…俺…








考えられねぇよ…うううっ…






















俺…











お前と…ううっ…わ、別れたくねぇよ…












しずかぁ
…













































いつまでもいつまでも…




まるで…

親とはぐれてしまった迷子の子供のように…




いつまでもいつまでも、
泣き続けていました。























次回より通常更新に戻ります。
よろしくお願いいたします。





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【問題】
この日、たった一つだけ良かったことがあって…
それは…

続き~

第313話「騒動XII」

テーマ:女子高校生恋愛記

書籍「せんせぇに愛たい」発売中です♪
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登場人物紹介



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。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜




「せんせぇ…
私ね…

私…
せんせぇが思っているような
そんないい子じゃないんだ…」





「………」







俺には…

彼女が言おうとしている真意を
全くつかみとることが出来なくてさ…



不安と気持ち悪さで吐きそうになるのを
必死で堪えながらも、

彼女の視線から逃げまいとすることだけで
精一杯だったわけで…




そんな虚勢をはるだけしか能の無い男に向かって、
覚悟を決めた女の張り詰めた声が、

今、まさに発せられようとしていました。








「せんせぇは私のこと、
誤解してる…
私はいい子なんかじゃない…



私は…


私は…

私はっ!!!」







「し、静香…?」



目を真っ赤にしている静香の出した
らしくない声のトーンに、

思わずビクッと硬直するわけであり…







「私は…
せんせぇが思ってるような、
素直で思いやりのあるような
そんないい子じゃないっ!!

私は、私は…
嫉妬深くて…
好きな人のことも信用できなくて…

自分のことしか考えられない
嫌な人間なんだよ?!」











彼女は…

言い終えると、俯いて、
はぁはぁと息を切らす。



こんな静香なんて…
今まであっただろうか…

似たような感じは
あったかもしれないけど…

でもそれらとは何か違うっていうか、
うまくは説明できないんだけど、
いつもとはやっぱり違う、そんな気がしてさ…




そして…


思わぬことに呆然とする俺だけじゃなかったようで、
静香自身も自分のとった行動に驚いていたようでした。


俯き加減の表情にも
明らかな動揺が見て取れるっていうか…

定まらない視線に静香自身自分でもどうしていいのか
分からないといったように思えたわけであり…

















まだ息が戻らないで
苦しそうな表情を見せいてる彼女に向かって、






「静香…」






首をゆっくりと2回ほど横に振りながら呼びかけたあと、

なるべくあまり刺激しないような優しい口調で喋ろうと
それだけは強く意識しました。








「自分のことそんな風に言うなよ?

俺はさ…
別にお前のことを誤解してないよ?
今まで何年一緒にいると思ってんだよ。

お前のいいところだけじゃない。
悪いところだって知ってる。

でも…
でもそれでも、そんなところを全部含めて、
お前のことが大好きなんだ。

嫉妬深いところも好きだよ。
それだけ俺のことを想ってくれてるってことだろ?
俺のことを信用できないってことも同じ。
それだけ懸命に考えてくれたから、
いろいろ悩んだんだろ?

ちゃんと分かってるから。
お前のことは分かってるから…
だから…
だからそんな風に自分のこと言うなよ?」










俺の本当の気持ち。

決して嘘偽りのない気持ち。






分かってくれると思ったんだ。


真っ直ぐに正直に素直に真剣に、
きちんと自分の想いを話せば、

静香は分かってるくれると思ってたんだ。





































だけど―――












































「せんせぇは…」






それは突然でした。

俯いていたはずの静香が、
いきなり顔を上げて、
俺に鋭い眼光を向ける動作をしたのは…



































「私のことなんか
なにも分かってないっ!!!」



















え…


















「せんせぇ、私、私…
せんせぇのこと疑ってたんだよ?


ううん…
本当は本当は…
今だってせんせぇのこと
信じてない…

本当は…
私のことなんて
あまり好きじゃないだろうって
そう思ってる…」


















あまりにも…





予想を裏切る言葉に…





































言葉が出てこない…






























ショック…?







いや…


そんな一言で片付けられるような
単純なことじゃなくて…






俺だってさ…
自分にも悪いところがたくさんあることぐらい分かってる。

そんなこと言われなくたって
分かってるよっ!!!



泣きながら謝ってる静香を許さなかったり、
彼女の言葉尻を捕まえて追い込んだり、
本当に最低な男だなって思ったもん…





でも…

でもさ、それはあくまでも…





彼女のことが好きだったから…





静香のことが好きだったから…
言い訳じゃなくて、本当に静香のことが好きだから、
男と一緒だったことに怒りが湧き上がったんだ。



いつまでも愚痴愚痴恨みがましくて、
男らしくないんだよ。

そんなウザイ男なんか大嫌いだっ!!

そう言われるなら仕方ないっていうか、
言い返すなんて出来ないけど…







でも…



俺が静香のことを好きじゃないってことに
つながるのはおかしいだろ?!



どう考えたって…



ありえないだろ?!


















「俺が…
お前のことを好きじゃない…?」




精魂枯れ果ててしまった体から
かすれ声を絞り出すのが精一杯でした。




「なんで…
なんでそんなこと言うんだよ…
俺が…
お前のこと好きじゃないって
どうしたらそんな風に考えられるんだよ?」








もう…



怒る気力すらもなくて…






多分、俺の体は、
『怒り』よりも『呆れる』、

いや、それも微妙に違うかもしれない…


なんだろう…

人間じゃない、まるで物になったような感覚。

無機質な感覚とでも言おうか…
こんな感覚に占領されていたような気がする。







もはや静香と目を合わせ続ける勇気なんてあるわけなくて、

力なくうなだれて、
テーブルの下の散らかっていたテキスト類の表紙に
適当に視線をやるだけでした。














そして…








視線の先に置時計が入って、
10時45分を指していたのを間違いなく確認したとき―――












「…生日」




ポソッと口にした静香の声に、




「え?」




よく聞き取れなくて、
は?と顔をあげると…








「私の誕生日。
覚えてる?」











静香の…誕生日…?






誕生日って…


この前の18歳の誕生日のことか…?













「私…
私ね、私…
すっごく楽しみにしてた…」















それは…





知ってる…






























いつも静香は言ってた。



「もうすぐ18歳だなぁ。
楽しみだなぁ♪」




しつこいぐらいに言ってたのも覚えてる。


こんなやりとりもしたっけ。





「おいおい…
なにがそんなに楽しみなんだよ?
18歳になったからってそんなに変わんないぞ?」





20歳ならさ、お酒も煙草もOKだし、
完全な『大人』として認められるんだから、
楽しみにするっていうのは分かるんだけどさ…


18歳になっていいことってあったっけ?



パチンコ? 競馬?
ってかギャンブル関係Okになっても、
静香には全然関係ないでしょ?
ってかそんな趣味を持たれても困ります(大汗)




首をかしげる俺に対して、
ニヤっと笑いかける静香さん。





「へへへ~。
とぼけないでよ、ダーリン♪」



ってなんだぁ?! 
その意味深な笑い方はっ?!

(゜Д゜≡゜Д゜)







「18歳になったら…

うふふ…
いよいよだね…?(笑)」










静香に言われて…


































あっ!!!!!!
(//∇//) テレテレ













やっとのことで彼女の言わんとすることを
悟ったオッサンでした…(汗)







「お、お前なぁ…
そ、それはさ…
大学に受かってからって言っただろ?!」



そ、そうだよ…
約束したんじゃんかよ?

一緒に一泊旅行に行った静岡旅行のときにさ…(汗)







「えええええ?!
あれってやっぱ有効なのぉ?!」





あ、当り前じゃーっ!!!(汗)
(;゜皿゜)





「な、なんのための約束だと思ってんだよ…」



17の小娘の攻撃に焦る30歳オッサン…(汗)






「ちぇっ…
つまんないの…」




「ちぇっ、じゃないでしょ、ちぇっ、じゃ…(汗)」








そう…


こんなやりとりをしたんだ…


俺たちは…































静香は不満だったかもしれない。

周りの学校の友達にも、
彼氏がいる子がたくさんいるだろうし、
いろんなことを耳にしているだろう。


17~18ぐらいになれば、
それぐらい当然という感覚になってたって
全然不思議なことじゃない。




俺だって分かってる。
俺自身、静香ぐらいの年代のときに、
必死に純潔を守ってきたわけじゃないんだから…(汗)
















でも…









俺と静香は…

普通の恋愛とは違うわけで…






年の差15歳。


生徒と教師。


現役高校生とバツイチ男。






なにをとっても、
世間の風は俺に冷たいわけであり…(汗)




この冷たい風を乗り越えて、
みんなに認められるような関係になるためには、

ちゃんとしていこうというのがあってさ。





少なくとも…

静香が高校を卒業して、
ある程度一人前と見られる大学生になるまでは…

それまでは我慢しようって思ってたから…















あと…



当然っちゃ当然なんだけど…





「娘に対していい加減なことするなよ?」


そういう思いでいるはずのご両親のためにも
静香に適当なことなんて出来るわけ…ない…



これらのことは静香にも話をしたし、
分かってくれてると思ってたから…



































「私、ホントはね…
ホントはね…」





静香とのやりとりを思い出していた俺の耳の中に、
現実の彼女の声が突如響いてきて、ハッと我に返る。




「もしかしたら…
せんせぇ、私の気持ち分かってくれるかなぁ…
ちょっと期待してたんだ…」



「ちょ、ちょっと待てよ?!
俺、そのことについてはちゃんと説明したよね?
今年はお前も受験生だし、
来年受かったら盛大に祝ってやるからって…」







お前も…





「うん、それぐらい分かってるって。
大丈夫。せんせぇ、気にしすぎだってば」




そう言って…

笑顔を見せたじゃんかよ…




だから俺は…















「分かってる。
私がそれでいいって言ったんだもん。
前に約束したことだし、
それで仕方ないって思ったよ…

だけど…
だけど私は…

やっぱ18歳の誕生日なんて
そのときしかないし…
せんせぇに祝ってほしかった…

みんな友達は、
彼氏と一緒に旅行に入ったり、
一緒にお泊りしたり…
羨ましかった…」






「い、いや、静香さ…
あのさ…」




言いかけてた俺を、
遮って喋り始めた彼女の瞳から、

さっきまでおさまっていたはずの涙が
再び溢れ始める。




「せんせぇ…
わたし、別になにも高いものが欲しいわけじゃない…
どっか豪華なホテルに泊まって旅行したいわけでもないよ…?

ただ…ただね…
せんせぇと二人きりで…
一緒に祝ってもらいたかっただけなんだよ…?」





「い、いや…だ、だからそれは…」




そう言いかけて…

とても彼女を説得できるような言葉が思い浮かばなくて、
その後を続けることが出来なかった…







静香の言うことは…


彼女の偽らざる真実の想いであって…


今、たまりにたまっていたすべての想いを
吐き出そうとしている彼女に対して、

それを言いくるめられるだけの何かを
俺が持っているはずがないのだから…









「でもね…
せんせぇを信じようって何度も思った。
せんせぇは私のことを考えてくれてるから、
私のことを大切にしてくれてるからなんだって…
逆に喜ぶことだって、
何度も何度もそう考えたんだよ?」






そうだよ…




俺は…

お前のことを大切にしてるから…

















「でも…」






「………」







「この前、喧嘩したとき、
私、自信なくなった…

せんせぇはもしかして…
私と別れたって別にいいやって
そう思ってるかもしれない。

私なんかと別れたって、
全然悲しくもないし、
全然平気なのかもしれない…

そう思うようになっちゃって…」





















(_ _|||) ハァ…





















くそっ…






だからさ…

だからなんでそうなるんだよ?!

アレはなんども言ってる通り、
買い言葉に売り言葉っていうか、
男女が付き合ってたら
それぐらいの言い争いぐらい普通あるだろ?!

なんでそんな単純思考になっちゃうんだよ?!





「だから違うって。
俺はお前と別れたくないし、
別れても平気だなんて在り得ないって!!
信じてないみたいだから何度も言うけどさ、
広野と仲良くしろって言ったのは本気じゃないから。
な? 信じてくれよ?」





ホントに…

頼むからいい加減、
俺の気持ちを分かってくれよ?!



そんな想いで口にしたわけなんだけど…



静香は首を横に振って、
あっさりそれを否定する―――










「せんせぇ…
私が一番ショックだったのは、
広野君のことじゃないよ…?」





「………」




「覚えてる?
私に男の子と勉強してるのかって聞いてきたとき、
最初にせんせぇが言った言葉…」










俺は…



不覚にも彼女になんと言ったのか、
すぐに思い出すことが出来なかったわけで…











俺…



なんか言ったっけ…?(汗)







































お、思い出せんがな…(汗)

_| ̄|○














静香は…


そんな戸惑いを見せる俺を見て、
なんと思ってるのだろう…



呆れているのだろうか…




気のせいかもしれないけど…

涙をこぼし続ける静香の表情が、
一瞬、物凄く冷めたように見えたような気がした。


































そして―――






























「せんせぇ…



『お前が望んだんなら、
それでいい…
もういいんだ…』




そう言ったんだよ…?」
















言われて…



言われて初めて、
「あっ!!」と思った俺がいる…






そうだ…


確かにそう言った…






あまりのショックで、
静香の真意を確かめる前に、
そんなことを口にしてしまったわけで…














「私ね…
これを聞いたとき、

ああ、せんせぇは、
いつ私と別れても平気なんだなって思った。
本当に私のことを好きでいてくれたら、
こんなに簡単に別れてもいいなんて言うわけないもの。

だから…
せんせぇは私に手を出さないんじゃないかなって…
私に手をだして責任を取らされることになったら、


怖いから…


もしかしたらそれがせんせぇの本音かもしれないって…
そう思うようになって…」


























完全に負けたと思った。



別に勝負してたわけじゃないけど、
静香の言うことに言い返せる自信もないし、

彼女にそう言われて当然だと思った。











すぐに諦める俺の悪い癖。

嫌なことがあると、どうでも良くなる悪い癖。

心にも思ってもいなことを言ってしまう悪い癖。










美沙のときも…



これで失敗して、
悲しい想いをしてきたというのに…



今、また、同じ過ちによって、
自らの手で自らの幸せをぶち壊そうとしている…

















俺は…




一生、この繰り返しなんだろうな…

















よく言えば『さっぱりしてる』



悪く言えば『すぐに投げ出す』







『諦め』かけた瞬間でした。



















【お知らせ】
次回から通常更新の予定でしたが、
もう1回だけ24時間続きます(汗)
スミマセン…






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再公開なんて待ってらんね~

第312話「騒動XI」

テーマ:女子高校生恋愛記


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。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜




「うう…わたし…
死んでしまいたいよ…」



滴り落ちる涙。



今まで何度も泣き崩れる静香を見てきたけど、
ここまで我を忘れた彼女を目にしたのは、
初めてじゃないだろうか…


「死にたい…」


この一言に…

彼女の今の気持ちが…

彼女がどれだけ落ち込んでいるのか、
彼女がどれだけ後悔しているのか、

それらが痛いほど伝わってくるから…







「死にたい、とかそんなこと言うなよ…」



「だってだって…
わ、私は…」




「もういいって言ってんだろ?
ホントにもう…いいから…」






目を真っ赤にした静香を見て、
もういたたまれなかった。


彼女のことを…

大切な彼女のことを
このまま放っておくことなんて
出来るはずがなかった。






中途半端に伸ばしていた右腕。

ハンカチを握り締めたまま、
どうしていいのか分からないまま、
中途半端に空中で止めていた右腕。





気付いたときには…

この右腕で静香のことを抱きしめていたわけであり…












「あ?!」



「ごめんな…
お前がそんなに苦しんでることなんて
全然思ってもいなかった…
ごめんな…」



「せ、せんせぇ…」










力いっぱい抱きしめていた。


俺の腕の中にすっぽり入る彼女を見て、

彼女はなんてちっちゃいんだろう…
改めて思わずにはいられなくてさ…



こんな小さな体で、
俺のことをいつも一所懸命に考えて、
いつも必死に想いをぶつけてくれて、

本当に俺のことを想ってくれてた。



今回のことだって、
最初勉強を始めたことだって、
成績をあげて俺を喜ばせようと思ってのことだった。





なのに…

俺というヤツは
いい歳してくだらない嫉妬で頭がいっぱになって、

ホント情けないっつうか…

ホントしょうもないっていうか…







本当に一番大切なものを、

またしても失おうとしていたわけで…











ちっくしょう…

なにやってんだよ、俺は…











「お、お母さん来ちゃったら大変だよ?」



俺の腕の中の静香に言われて、


そう言えば…
そろそろお茶を持ってきてくれる頃合かも…ね…



いくら交際を認められたからって、
勉強中に娘が男と抱き合ってたら、
さすがにヤバイってことも分かってる…

けど…




「そうだな…
見られちゃったらやばいかもな…」



そう言いながらも離さない。



「知らないよ?
お母さん、怒っちゃうよ?」




「そうだな…
そしたら困っちゃうな…」



本気で心配する静香を他所に、
今、俺は…

どうしても手を離すことが出来なくてさ…








それは…



今、彼女から手を離したら…



















どっか遠くに行ってしまいそうな、
そんな気がしていたのかもしれない。

























「ホントにせんせぇは…」



腕の中で俺の胸に顔をうずめていた彼女が、
ほんの少しだけ顔をあげる…



「ん?」



「いい歳して子供なんだから…」










腕の中の彼女が、
ちょっぴり笑っていたんだ…



頬にはまだ涙の後がくっきりと残ってはいたけど、
でもたしかに笑みを浮かべてくれてたんだ…




















でも…







それは本当にほんの一瞬のことであって…








久々に見せてくれた笑みは、
あっという間にどこかに封印されてしまったわけであり…







そして…



抱きしめていた両腕も、
彼女の手によってゆっくり外されてしまい…




















「静香…?」



さっき感じた『嫌な予感』が…

再び頭の中を過ぎる…






そして彼女は…

また元の険しい表情に戻っていてさ…






「せんせぇ…
私ね、別れようなんて…
そんな軽い気持ちで言ったわけじゃないよ?」



「………」



「私…
せんせぇのこと、好きだけど…
大好きで仕方ないけど…

今、このまませんせぇと一緒にいたら、
自分がダメになるような気がして…」











どうして…

嫌な予感に限って
こうも当るもんだよ…




冷静にそんなことを思う俺がいる。
多分、何かしらの違和感を感じていたんだろう。


目の前の彼女はいつもの静香じゃないってことを―――







いつもの彼女なら…


ああやって抱きしめて、
ああやってお互いの温度を感じあえば、
それだけで分かり合えていた…はずだった…





でも…



俺の思惑は見事に外れてしまったわけであって…


















「ごめん…
しばらく時間をあけてもらうってのはダメかな…?」




「それは…
別れたいって言ってるんだよな…」



「う~ん…
そういうつもりじゃないけど…
でも冷静に考える時間が欲しいと思ってる。
ダメ…かな…?」




「………」



「私、勝手すぎだよね…
もし、そんなのせんせぇが嫌だって言うんなら…」











言うなら…?










思わずゴクッと唾を飲み込んだ音が、
部屋中に響き渡ったような気がしたぐらい、

静寂に包み込まれた瞬間。






今にもプレッシャーに押し潰されそうな息の詰まる空気の中で、
ただただ静香の口元が動くのを見つめる俺は…












「せんせぇの好きにしてくれていいから…
別れたいっていうなら、それで仕方ないって思ってる」























なんだよ…それ…












俺が望むなら…?





俺がそんなこと望んでるなんて
いつ何時何分何秒に言ったんだよ?!





俺は
俺は俺は…っ!!!












「どうして?!
俺は…
俺はさ、もう気にしてないって言ってんだろ?!
いつまで意地張ってんだよ?!」



声を荒げる俺に対して、
つとめてたんたんと返事する静香。



「意地なんて張ってないよ…
私なんかがせんせぇと付き合って
いいんだろうか、ってそう思ってるだけだから…」




「私なんかがって…
なにワケわかんないこと言ってんだよ?!
俺はお前がいいって言ってんだろ?!
意味…わかんねぇよ…」






キレそうになるのを必死で抑える。



今は…

ちゃんと話さなきゃ。

これ以上感情に振りまわされて、
すべてをオジャンにするわけにはいかないだろ?


その想いだけで必死に気持ちを抑えたわけであり…










でも…



ここまで言い張る彼女を…


静香をどうやって説得すればいいのかなんて、
さっぱり分かんねぇよ…








多分、今の流れから言ったら、
これをひっくり返すなんてほとんど奇跡に近いってことも
なんとなくだけど俺自身にも分かっていたわけで…


でも…


それでも…



「私なんかがせんせぇと付き合う資格はない」



こんな理由なんかで納得できるわけねぇだろ?!



















「無理…」



「え?」



「無理無理無理。
お前の言うこと、全然納得出来ない。
別れたいって言うなら、
それ相応の理由を言えよ…
具体的に例をあげて言ってくれよ。
俺が納得いったら、
何も言わずに別れてやるから」





もちろんこんなの本音じゃない。
無理難題をふっかけたに過ぎない。

こんな風に言われて、
これで答えられるもんなら答えてみろよ?

そんなズルイことを咄嗟に思い浮かべたわけであって…



卑怯者と言われようが、
もう、なりふり構ってられねぇんだよっ!!






「わ、私は…
別れたいなんて…」






そう言いかけてた彼女は、
何故か途中で言葉をやめて…


諦めに似たようなため息。






静香は、しばらく黙っていて…

どうしたんだよ…
なにを考えてんだよ…




沈黙が30秒ほど続いたあと、
何か覚悟を決めたように、

視線を俺にぶつけてきてさ…







瞬き一つすることなく、
俺を見つめるその視線に目を合わせると…


嫌な予感がますます膨れあがってきやがる…




やめてくれよ…

頼むからやめてくれよ…




本当に俺が悪かったから、
もうやめてくれよ…





頼むから…
お願いだから…


「しょうがないなぁ。
まったくせんせぇは(笑)」



そう言って笑ってくれよ…










頼むから…さ…









静香…













泣き叫びたい衝動で
苦しくて苦しくてたまらなくて、

息が詰まりそうになったとき、







「分かった…
じゃあ…言うよ…」




「………」












俺の切実なる願いは…
いとも簡単に裏切られる…










「納得出来る理由を話せば
別れてやってもいい」


こんな風に言われて、
静香が答えるはずがない。


そう思っていたのに…


そう信じていたのに…






甘かった…









俺はどこまでダメダメなんだろう…













静香の口がいつ動き出すのかと…

彼女の口元の筋肉がピクピクするのを見てるだけで、
今か今かと気が気でなくて、
その重圧に押し潰されて今にも死ぬんじゃないかって、
本気でそんなことを頭に浮かべたそのときでした。















「せんせぇ…
私ね…

私…」




















次回も24時間限定ですっ!!
多分、これで最後の予定です。
それ以降は通常更新に戻りま~す。






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【問題】
彼女が一番気にしていたこと。
それは―――