5月26日。
シダックス甚目寺クラブ、229号室。
遂に、あの子に告白をした。
時間にしてAM5:00頃だっただろうか。
本当ならば、もっと落ち着いた場所で告白をしたかった。
2人きりになれる、静かな場所で告白をしたかった。
でも、今回ばかりは仕方がなかったんだ。
この日は、急遽6人でカラオケに行く事になったから。
でもね・・・。
告白を辞めようとは思わなかったよ。
だって、今日こそは絶対に告白をすると、心に決めていたから。
だから、本当は場所なんてどうでもよかった。
たしかに、あの子の期待を裏切る事になってしまう。
雰囲気の良い場所で、俺の想いを伝えると言ってあったから。
あの子が今までに経験した事のない、そしてこの先も経験する事のないような告白。
あの子の心に一生消える事なく残り続ける告白。
そんな告白をすると、伝えてあったから。
当初の話しとは全く違う。
だけど、どうしても伝えたかった。
この期を逃すと、この先もずっと言えない気がしたから。
だから、急遽たっちぃに頼んで、告白の場を作ってもらった。
カラオケも2部屋借りて、2人になるチャンスを作ってもらった。
でもね。
直前になって、迷いが生じた。
もちろん、ふられる事への恐怖や、告白をする事への緊張。
でも、それ以上に俺を迷わせた事がある。
それは・・・。
あの子の右手の薬指で光る指輪。
そう。元カレから返してもらった、あのペアリング。
なんでなの?
なんで、その指輪をしているの?
まだ、吹っ切れていないという事なのかな?
それとも、今日は告白をしないで欲しいという、あの子なりのメッセージなのかな?
分からない。
俺には分からないよ。
OKがもらえると思っていたのに。
やっと、付き合う事が出来ると思ったのに。
まだ、ダメだという事なのだろうか。
俺にはあの子の気持ちが、まったくもって分からない。
だけど。
告白はするよ。
だって、告白するって決めたんだもん。
ふられる覚悟は出来ている。