「ディーパンの闘い」とカンヌ国際映画祭 | 市川名画座 娯楽的映画生活

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「ディーパンの闘い」は2015年のカンヌ映画祭パルムドールを受賞したフランス映画です。

スリランカの内線で家族を失った兵士と同じ境遇の若い女と少女が擬似家族となりフランスへ移住します。

パリから離れた地方都市へやってきた3人離れ新しい生活をスタートします。

団地のようなアパートの管理人の仕事を得た主人公でしたが、そこは裏社会の巣窟でした。

ギャング同士の抗争に巻き込まれた主人公は擬似家族ながらも愛する家族を守るべく熾烈な闘いを挑みます。

全編ドキュメンタリータッチの作品で地味ながらも観客を引き込みます。 
 
監督のジャック・オディアールの力量に敬服します。

カンヌのパルムドールは商業主義のハリウッドのアカデミー賞の対極にあります。
 
しかし最近のアカデミー賞は今年の「ムーンライト」のような非商業的な作品が受賞する傾向が強いようです。 

カンヌも60年代は「シェルブールの雨傘」「男と女」等世界的に大ヒットした作品がパルムドールに選出されています。

時代によって映画を評価する視線が変化します。
  
しかし映画の本当の評価は時を経ても長く愛され、何度も繰り返し見返されることに耐えうる作品であるかということだと思います。 

そんな作品が生まれることを期待します。