グラベルロードを手に入れてからずっと考えていた。
ロングライドも楽ちんな舗装路巡航速度の速いロードバイク、山まで運べば悪路で快適に飛ばして遊べるMTB。
そのどちらをも兼ね備えたグラベルロードなら、一粒の自走でロングも山も2度美味しいロングライドが楽しめるのではないかと。

しかし実際はそう簡単ではない。どちらも兼ね備えると言う事は妥協の産物なのだ。それは山スキー同様滑走性能を高くすれば登行スピードが劣るのと同じ。
どこに妥協点を設定するかは各メーカーの設計や個人のパーツセッティングにより別れるところ。

私のバイクはトレックのチェックポイント。これにはシートステイが微妙にしなり衝撃を吸収するシステムが搭載されており、このシステムは元々過酷な石畳レースで有名なクラシック、パリ〜ルーべを制する為に開発された物で、グラベルだけで無くロングライドにも強い設計である。

そこに自身の味付けで、43Cのブロックタイヤを低圧で乗れるチューブレス化で装着。振動軽減にキネクトの可動ステムを搭載。ハンドルはややフレアなタイプで、上ハンドルでもある程度力が入り易く、かつ下ハンドル時はロードバイクのようにガンガン踏めるロードバイクと中間的な形状に。

メカ類はトラブル軽減にFディレイラーをとっぱらいフロントシングルにすべくクランクをGRXに、チェーンリングは外れにくいWTのナローワイド。更にリアにはMTB用大径スプロケを搭載すべくRディレイラーはグラベル用のGRXと交換した。BBは防水性を考えトーケンに。まあグラベルというより山の中のシングルトラックもある程度楽しめる仕様とした。

元々は王滝の新クラスであるグラベル部門に合わせて仕上げた仕様なので、丁度登り重視の昔のXC MTBのような味付けになってしまった。なのでグラベルロードが本来ある程度持っているロードバイクのような舗装路高速巡航速度はあまりなくなってしまったのだが、まあ山重視のセッティングなので、割合走りやすい山では仲間の MTBとともに遊べる位にはなっている。

なおこのバイクで王滝にエントリーしていたものの、コロナの中止期間に当たってしまい結局出られず。今となってはより MTB寄りのサスOKなレギュレーションになってしまったので、もはやは試す気持ちも失せてしまった。

この帯に短し襷に長し、妥協の産物マシーンならではの、ロードもそこそこ、山サイもそこそこな自走ロングライドなら楽しめそうだ。何なら日本百名山の残りを、日本一周しながら走るなんてワクワクするような旅の相棒となりうるかもしれない。

とりあえずハードなワンデーロングの山スキーが控えていて、体作りをしなければならないので、横浜の自宅から上野原まで自走ロングライド山サイへGOー!