さて今時の仕様にする事が決まったレイノルズ631のフレームだが、今時とはなんだろう?と思い、当時のXCバイク装備と比較してみる事にする。

 

まずはハンドル周り。当時は幅510mmの長さを、更にバーエンドバーを取り付けたので、レバー類は更に中寄り。ステムも90〜120mmと長く前傾姿勢。感覚的にはロードのドロップハンドルとあまり変わらない。そういや過去XCレースにドロップハンドルを装着して優勝してしまった例もあったと聞く。確かに昔のXCMTBは今のグラベルロードとジャンルが少し被っているように感じるのは俺だけ?

対して今時のハンドル幅は720mm以上と長く、エンドバーも付けない。ステムも45mmと極端に短く、アップライトなポジションはダウンヒルバイク寄りである。これはMTBのXC競技が、以前の登り重視体力勝負コースから、テクニカルなダウンヒル寄りのコースになって来たからだと思われる。そういや東京オリンピックの伊豆のコースもえらいテクニカルで大岩からジャンプのセクションが未だ目に焼き付いている。

なお金属製品は高級品との差が出にくいので中華系OEMのパーツを使って予算節約。

レース出る訳ではないのでこれで十分。

 

次にFサス、当時これに付いていたマニトウのスカエブは細身軽量で1.3kg、80mmのトラベルしかない。当時最高クラスの性能だったスカルペルのレフティーSLカーボンは1.14kgと超軽量、トラベルはちょっと増えて110mm。しかし今時のはXC用でも最低120mm以上もあり、如何にダウンヒル寄りになってきたかがここでも伺い知れる。

当初はFサスはそのまま使う予定だったが、エアを入れて稼働させると液洩れが発生。

さすがにこの年代の物は使えなかったか。まあどうせ使える規格のパッキンとかももう手に入らないだろうし、サスは消耗品である。出費は痛いが新調する事になった。

とはいえ高級品を買う予算はないので、友人の勧めでSRサンツアーの26インチ9QR120mmトラベルリモートロックアウト付きにした。重量は1.8kgとまあ内容の割には軽いほうなのかな?

しかしSRって?、サンツアーといえば今は無い前田工業なんだがその前田工業と一緒にやってた栄輪業の頭文字らしく、製造は今や上級フレームのOEM工場としても名高い工業国である台湾らしく信頼は出来そうだ。

コラムカットとスターファングル圧入

なお付いてるケーンクリークのクラウンレースを使いまわしたく無いので探すが当時の製品と形状がかなり違い手に入りそうも無い。というかケーンクリークの下玉押し高すぎ〜。合うかどうかも分からんのに買えるか〜。なのでここはヘッドパーツごと変える事にした。とはいえ予算は減らしたい、でもガタつくとアウトな精密精度が求められるパーツなので、中華系OEMでもやや高めの自社製品も出してる実績のあるメーカーパーツをチョイス。カートリッジ式ベアリングで割り入りクラウンレースなので圧入は不要。付けてみたがガタもなくほっとしている。

ヘッドワン外して圧入

 

次にシートポスト、以前のはトムソンの固定式が付いていた。登り重視の為当然サドルは高めにセットするのだが、高いと激坂下りで重心を後ろに移したあとウエアなどが引っかかって元に戻りにくかったと記憶している。

現在はスイッチ一つで高さを変えられる、ドロッパーというシートポストが主流である。一番高くして坂を登りきったら、シートを下げてダウンヒル開始。使ってみると素晴らしいとしか言いようがない。そういやグランツールのダウンヒルでおなじみフレームの上に乗って抵抗を減らし時速100キロ前後で爆走する選手を見た事があるが、あれが禁止になり、代わりにロードでもドロッパーが解禁になったとか?デメリットがあるとすれば重量だろうか。

ここも予算節約でドロッパーも台湾製でいいかと。KSカインドショックというメーカーの100mmトラベルに。XCフレームはトップが高め設定なので一番下まで突っ込めるようインサートレングスが250mm以下の物にした。

 

そしてクランクとディレイラー、当時は前トリプル3段(44/34/22)、後は9段(11−34T)が主流だった。レーサーレプリカであるスカルペル4000にはキャノンデール独自の前ダブル2段が付いていたが、私には踏めないので前トリプルに変えたのだが。

今時のは前シングル(30〜34T)が当たり前田のクラッカーで、後はローが最大50T前後の12速が主流である。またフロントシングルというのは前変速しないのでナローワイドなチェーンホイールが使えるのだ。

ナローワイドとは、通常チェーンは内コマと外コマが交互に合わさって構成されているので、当然内寸も内と外では違い、それに合わせて広い外コマがワイド、狭い内コマがナローと交互に歯が付いているチェーンリングの事である。交互なのでこのギアは全て偶数の歯数になっている。

 

クランクはディオーレの30Tナローワイド

フロントシングルは前変速無しのシンプルさと、歯幅が専用で外れにくくトラブルも少ない。またFディレイラーが不要で軽量化にも一役かっている。

 

BB取り付けに関して、シマノのフォローテックII、今時のはBBはカップが小さくなってて、今までの専用工具が使えなかった。工具箱を漁るとBB9000用の工具があり、大きさ形状とも合いそうで試したが、微妙に形状が違い使えなかった。
調べてみるとフォローテックIIは現在3種あって、それぞれ専用工具又はアダプターが必要なんだとか。それがこれ。スクエアテーパー、オクタリンク、も含めると特殊工具の嵐です。ほんとかなわんわ。


 

左9速 右12速(トップ歯11 T、それ以下はマイクロスプラインのハブが必要)

一度12速にしてみたが、前30Tに後50Tと歯の差20。

どうにも軽すぎて使え無い。

現在の山サイ号は前22T後ろ18Tのシングルスピードだがこれでも軽すぎるきらいがある。それに山サイは押しと担ぎも多く軽い方がいいってことで9速に戻します。

これで前30T後ろ34Tと歯の差4つもあるので大抵の激坂でも登れます。

これで登れなきゃ足鍛えろってか、押して担げばよいだけなのだ。

 

しかし今時の12速フロントシングルクランクに、9速チェーンが上手くシンクロしてくれるか心配でしたが、スムーズに動いてます。物理的には9速チェーンの方が少し分厚く広いはずだが、デリケートなフロント多段変速と違い、ナローワイドのシングルギアは許容度が高く、余り気にしなくてもいいようですね^_^

でも逆に9速用ギアに12速チェーンは入らないと思います。

 

最後にブレーキ、当時はVブレーキが主流、これが軽くてディスク並みに良く効くブレーキだった。ただマッドコンディションだと泥や葉っぱがシューに詰まって効かなくなったが。

今の主流はオイルディスク、もっと言えばフロントローターを180mmと大型化。

DHだと4ポットキャリパーだが山サイでは対抗2ピストンで十分かな。

昔のインターナショナルマウントにポストマウントアダプター

高級軽量パーツの数々

 

とりあえずここで予算切れ、後はリムを最近のチューブレスレディに変えて、タイヤをチューブレス化して低圧で乗れれば完璧。まあそのうち手組みしましょかね。

 

さてダートを走ってみた感想。

しなやかなしなりは相変わらず気持ちのよいフレームで最高に心地良い。

重量はフル装備ながらギリ11kg台って感じ、これは移植パーツがXTRをはじめ高級軽量だったせいもある。まあいい仕上がりでした。