昨日はWOWOWでアカデミー賞授賞式を観て、6時間ぐらいテレビに釘づけでした。
その分今日は働いて、英日翻訳を早めに納品した後、
昨日のアカデミー賞授賞式のベストスピーチについて、考えてみました。

やっぱり一番印象に残ったベストスピーチは、
主演男優賞を獲得したダニエル・デイ・ルイスかなと思い、
ネットで検索してみたら、ロサンゼルスタイムズでこんな記事を見つけました。
The best speeches? Daniel Day-Lewis, Ben Affleck

Who gave the better speech? のところで、
ダニエル・デイ・ルイスに投票したら、同意見の人が65%でした。

ダニエル・デイ・ルイスは3度目の主演男優賞受賞で、
メリル・ストリープと並ぶ3回オスカー受賞の快挙を成し遂げました。

彼のスピーチのどこが素晴らしかったかというと、
機知に富んだジョークのセンスです。
オスカー受賞のコメントは、お世話になった人の名前をたくさん挙げて、
感謝の言葉だけで終わることが多いのですが、彼は違いました。

一番面白かった部分を英語で抜粋してみると、だいたい下記のようになります。

It's a strange thing. Three years ago, before we decided to do the straight swap, I had actually committed to play Margaret Thatcher.
And Meryl was Steven's first choice for Lincoln. I would like to see that version.
Steven didn't have to persuade me to play Lincoln, but I had
to persuade him because Lincoln shouldn't be a musical.


それは奇妙なことですが、3年前、メリル・ストリープと役の交換を決める前、
実は私がマーガレット・サッチャーを演じることになっていました。
そしてメリル・ストリープがスピルバーグ監督の選んだリンカーン役の第一候補でした。そのバージョンも観てみたいです。
スピルバーグ監督は、私にリンカーンを演じるよう説得する必要はなかったですが、
私は彼にリンカーンはミュージカルにするべきじゃないと説得しなくてはなりませんでした。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
これがIce breakerとなって、会場からどっと笑いを誘い、
その後は、少ししんみりした話が続きました。
「イギリス人の自分が、かの有名なアメリカ大統領の役を演じて、
もし失敗したらこの国に足を踏み入れられなくなるのではと、
プレッシャーを感じながら演じていた」とか、
「長年連れ添った妻は、役に没頭すると様々な人格になってしまう自分に
文句も言わず、よく我慢して付き合ってくれた」等々。

自分もそうなのですが、皆大変だったことがあると、
それがどれだけ大変だったかということばかり語ってしまいますが、
最初に短いジョークを挟むことで、こんなに印象的なスピーチになるのですね。

ダニエル・デイ・ルイスは、見た目がリンカーンにそっくりだから、
この役に抜擢されただけの俳優さんかなと思っていましたが、
この受賞スピーチの後、好感度がぐんとアップしました。

ベン・アフレックのスピーチも良かったですが、
ダニエル・デイ・ルイスのスピーチの方がもっと印象的でした。
ここまで人の心を掴むスピーチができる人だから、
こんな偉業が成し遂げられたのでしょうね。