オーラスでマクられるのはもう飽きました。

 ◆お店データ
 地元 てんご

 ◆成績

 2224242

 -7k

 ◆雑感

 ☆つぶやきその1

 新規の、もう還暦は迎えていそうな女性。
 髪の毛グリーン。
 ピースを片手にやりたいほうだい。

 私はふだん2ピンで打ってるのよ!
 いっつも10万からのギャンブルしかしないの!
 でも今日はきまぐれに安い遊び場に来てみたの!

 どうでもいいんですけど、
 煙草の灰がラシャに落ちますので、 
 その手を少し下げてくださいな。

 発声はしてください。
 そんなに叩いたら牌が割れちゃいますよ。
 
 マナ悪の年配客は
 電車内のOLの化粧くらい見慣れてる。
 
 でも、見るたびにやっぱり、可哀そうになる。
 
 その歳まで誰も、
 あなたに何も、教えてくれなかったんだね。
 もう誰も、教えてくれないね。
 鬼籍に入るまでそのままだね。
 
 心底悲しい気持ちになるものです。

 点棒をほうぼうに散らして、
 こんな小銭のやりとりじゃ面白くないとつぶやき、
 老婆は去って行ってしまった。
 
 たとえば僕にもっと力があって、
 麻雀を打つ人すべてに役に立つ著書があって、
 それを知り合う人にプレゼントができて。
 読むことで、その人が1ミリでも考えを良い方向に変えてくれたら。
 
 そんなことができたら、
 ちょっとは生きた意味を、
 僕はこの世に残すことができるだろうか。

 人を憐れむほどできた人間では、
 しかし僕はないけれど、
 少しでも出逢った人に利する生き方をしたい。
 麻雀などという、
 それとはまったく逆のゲームをするならなおさらだ。
 
 ☆つぶやきその2

 隣町の雀荘でメンバーをしているという、
 まだ成人したばかりの女の子。
 友達に連れられ新規で来店。
 
 打てる。
 牌さばきがきれいだ。
 
 周りの好奇の視線が、
 彼女をさらに妖しく彩る。
 そこだけ景色が違うんだ。

 224588一三五(赤)七中T北北 ドラN

 こんな配牌から、ためらいもなく七を抜く。
 乱れた髪を手櫛で直すように、
 目的に向かい細い指を動かして。
 
 海底に近づいて、彼女は小さく声を上げた。

 224488中中TTN北北 ツモN

 子宮の感性ってよくわからない。
 
 彼女を連れてきた友達が先に卓を抜ける。
 すでに打ち終えていた僕、
 彼とメンバーの三人で、しばし雑談。

 ふたりの関係を詮索するメンバーに、 
 彼はいう。

 「付き合ってないよ。
 アイツ、処女なんだ。
 麻雀ばっかりやってる」

 そんなことを会話のネタにされるのは、
 かわいそうに思えるけど、 
 そこまで僕が聞いたわけじゃない。

 亡国の遊戯にここまでノメる彼女が、
 もし男に染まったら、  
 それでもそのとき牌を握るだろうか。
 飽きたおもちゃを捨てるように、
 さっとやめてしまう気がする。
 
 どうでもいいことだけど。
 
 帰りぎわ、少し増えた財布を持って、
 彼女はその日初めての笑顔を見せた。

 「昨日、H&Mで買いすぎたの。
 埋め合わせできちゃった」

 キョロっとした上目遣い。
 思わず僕は目をそらす。
 
 イイ男を見つけて、
 かわいい伴侶となってあげてくれ。
 
 またしてもどうでもいいことを考える。

 この空間は、
 人のことを考える材料に溢れすぎていて、
 ときに疲れる。
 でもそれが、たまらなく面白い。




 

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