夕方から所沢ミューズで、プラハ室内歌劇場公演オペラ「セビリアの理髪師」を観た。先週の土曜に上野の東京文化会館で同歌劇場公演オペラ「フィガロの結婚」を観たのに続いてだ。このオペラの話は、ボーマルシェの三部作の第一作に当たり、「フィガロ」はその第2作に当たる。これらのオペラは、よく見るとどうも主役はロジーナのようだ。彼女が結婚に際してなみなみならぬ意志の強さ(セビリアの)。そして、夫の愛情が離れた悲しさ(フィガロの)。女性の生き方を取り巻くドタバタの一日をそれぞれ描いていたのだ。モーツァルトの躍動感以上のどたばた劇だ。
ロッシーニの音楽は素敵だ。モーツァルトの「フィガロ」の後に出来ているので、パロディもある。フィガロを観て、セビリアを観るのが正しいようだ。
面白かった。ドタバタと、素敵な音楽。声楽。声は皆よく通っていた。幕が開いてすぐ、客席を使って伯爵の音楽隊が登場。彼らの男声合唱が始まるが素晴らしい合唱だった。低音はよくのび、厚みのあるきれいな合唱。オペラはこうありたいものだ。
続いて、伯爵も会場の扉から階段を下りて登場の歌を歌いながらステージへ。歌舞伎でもこのような演出があるがそれと同じで観客は大喜び。このカンパニーのサービス度がよく分かる演出だった。
アルマヴィーヴァ伯爵はオトカル・クレインで、高く、よく通る声のテノールだ。また、伯爵としての品もあり適任だった。今後、ミラノスカラ座にも出るらしく、楽しみなテノールだった。バルトロ(パヴェル・クレチュカ=バスバリトン)、バジリオ(イヴァイロ・グベロフ=バリトン)の声も素敵だ。旨いオペラ歌手とは彼らのことを言うのだろう。私は、グベロフの低く安定した声が好きだった。バリトンというより、バスに近い。
主役ロジーナはプリマドンナ、エレナ・ガズディドーヴァでコロラトゥーラを歌う。今回のツアーでは、「魔笛」で夜の女王を歌っている。
劇が進むにつれ、登場人物が舞台をおりてよく客席に出てくる。また、レチタの中で日本語も使っていた。
全体的に先週観たフィガロより、今日のセビリアの方がよく出来ていたように思う。ソリストたちののりも今日の方が遥かにいい。オケもよくのっていた。笑いと素敵な音楽。全体的に「ブラボー」であった。
さて、お目当てのチェンバロの女性とは今日もあった。幕間に話もちょっと出来た。ブロンドできれいな方だ。今日のチェンバロは上野と同じ楽器だった。今回のツアーでは二台もって来ているようだ。このオペラは全体の三分の一はレチタティーボが入るので彼女の出番だ。また第一幕第一場で伯爵のカンツォーネで、舞台はギターだが、音は彼女がチェンバロでギターのようなアルペジオを弾いていた。彼女は今日もきれいだった。