昨夜は、来日中のフランス人指揮者ベルトラン・ドゥ・ビリーとウィーン放送交響楽団の演奏会にいった。プログラムは、「タンホイザー」序曲、「未完成」、ベートーベン交響曲3番「英雄」。聴衆の入りは、7割ぐらいか。高い席と一番安い席はいっぱいだった。
弦のとても澄んだ音色。管のハーモニーの美しさ。見事に調和し、かつ奥行きと間のある感情豊かな演奏。特に、「未完成」第一楽章の出だし、チェロ、コントラバスでの幽玄な深い響きに始まり、続くバイオリンの弱く細かく揺れ動く響き。それに乗っての木管の美しい第一主題。ぐいぐい演奏に引き込まれる、いきなりのノックアウトでした。途中ホルンのフェルマータの豊かさ。味わい深い素晴らしいシューベルトでした。
そして、「英雄」。特に第二楽章。荘厳などうどうとした歩みの葬送行進曲。十分な間合い。しっかり心に響く弦の低音部。たっぷり、豊かに重々しく。展開部の力強いフーガ。第二楽章が十分なので、続く第三、第四のコントラストが鮮やかに表現される。フィナーレが複雑なフーガをへて、とても誇らしげな演奏。会場全員が豊穣な音の空間に浸りました。日本のオケとは違う風土的な音楽資産を堪能しました。
アンコールにブラームスの「ハンガリー舞曲1番」。これも素晴らしい出来でした。ウィーンの風をたっぷり味わいました。ほかにウィーンなので「雷鳴と稲妻」、「ラデツキー行進曲」。
終演後の帰りは、春とは言えど片田舎。冷たい風が吹いていましたが、星空。心の中はウィーンの香りでいっぱいでした。「英雄」はCDが出ているので、「ベルリオーズのレクイエム」と一緒に買ってきました。これから、たっぷり聴く予定です。