【日本庭園を知って楽しむ】 2-9 江戸時代の庭園 作庭の小型化、定型化が進む

 

 

 若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 

■■2 日本庭園の歴史

 何ごとも、歴史や生い立ちを知りますと、そのものの本質のようなものが見えてくることが多いです。
 庭園も、変化の歴史を知ることにより、知識に幅が出ることもあり、奥深さを見出すことがあります。
 「面白みがない」という思いの方もいらっしゃると思いますが、上述のような理由で、私自身のために記述しておきます。

 

■ 2-9 江戸時代の庭園 作庭の小型化、定型化が進む

 寛永以後、江戸時代全般を通じて、大きな変革はみられず、舟遊びや回遊を兼ねた池泉に茶亭や露地も付設され、これまでの作庭の集大成的表現に終始した時代といえます。
 正保(しょうほう)から万治年間(1644~1661)はまだ寛永期の影響がみられます。しかし、それ以後は次第に力強さを失ってきます。それまでの広く、大きく、丸い池泉は、細長くなり、この傾向は貞享(1684~1688)ごろまで続きます。
 元禄(1688~1704)のころ、池はふたたび円となり、中央に鶴島か亀島、あるいは蓬莱島のみを置き、その中島と対面して滝石組を設けるようになりました。
 享保年間(1716~1736)には、江戸中期の意匠がかなり判然としてきて、池泉は小さく、滝の三尊石組も横に並んだ形となりました。上から見ると三角形の両辺が広がった姿で、素材の石そのものも小ぶりのものとなってきました。
 家屋から見た池泉の対岸の中央部を突出させ、出島を大きく見せるという新しい風潮もこのころ生まれました。また、山裾(やますそ)の下部を利用して池泉をつくることも行われるようになりた。植栽は正真木と称して、築山の上か中島など庭園の中心となるべき位置に、松柏のいずれかの樹木を植えました。末梢的な技巧に走り過ぎてしまい、意欲的な作品は少ないといえます。
 江戸中期から末期にかけて、草花の園芸書や作庭の手引書や案内書が数多く出版されます。一般人も庭をつくることが許され、豪農豪商が競って庭をつくったことにも原因があります。その一方、こうした手引書によって作庭意匠が定型化し、創作的な庭が出にくくなったことを物語っています。
 江戸で作庭を手がけた庭師たちは諸大名に従って各国に散り、そこでやはり定型化した庭園をつくりました。そのため、地方においては江戸中期以降、傑出した庭園が少なくなったといえます。
 天下泰平の時代でしたから、全国に分布した諸大名によって広大な大名庭園がつくられました。またそれら大名の庇護(ひご)のもとで寺院庭園もつくられました。有名なものに、東京の小石川後楽園、旧芝離宮、伝法院・六義(りくぎ)園、旧浜離宮、香川の栗林園、岡山の後楽園と衆楽(しゅうらく)園、熊本の水前寺成趣(じょうじゅ)園、その他が代表的です。
 枯山水では、京都の大徳寺方丈・酬恩庵方丈、金地院(こんちいん)、その他があります。池庭では京都の智積(ちしゃく)院、清水成就院その他があります。
 江戸時代に活躍した作庭家には、小堀遠州、片桐石州、正阿弥、玄丹、本阿弥光悦らがいます。また青森を中心として大石武学(ぶがく)が武学流を広め、九州地方では石龍が夢想流を、出雲地方では沢玄丹が玄丹流を、伊予地方では吉良桜きょうが桑原流を流行させました。
(重森完途氏・コトバンクを参照して作成)

        
■ 日本を代表する庭園        
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  ■ カシャリ! ひとり旅




ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】

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静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
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【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています