【日本庭園を知って楽しむ】 2-4 奈良時代の庭園 都市計画の一環で大規模庭園

 

 

 若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。

 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。

 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。

 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。

 

■■2 日本庭園の歴史

 何ごとも、歴史や生い立ちを知りますと、そのものの本質のようなものが見えてくることが多いです。
 庭園も、変化の歴史を知ることにより、知識に幅が出ることもあり、奥深さを見出すことがあります。
 「面白みがない」という思いの方もいらっしゃると思いますが、上述のような理由で、私自身のために記述しておきます。

 

■ 2-4 奈良時代の庭園

 奈良時代には、都の計画に合わせて大規模な庭園が造られました。自然の形をした池を造り、そこに注ぐ水の流れを川や滝として再現しています。また、石をありのままの形で用いるようになりました。私たちのイメージする「日本庭園」らしさが誕生するのは、この時代からになるといえます。
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 以下、コトバンク情報をもとに、飛鳥から奈良にかけての状況について作成しました。

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 日本における庭園の初めての記録は,日本書紀の中の「推古天皇34年(626)条」にあらわれてきます。この年は、蘇我馬子が没したとしです。飛鳥川の畔にあった馬子の家の庭には,小池が掘られ,池には小島が築かれていました。馬子は、このために「嶋大臣」と呼ばれていました。この庭園の存在が珍しいことで、それが評判になって、「庭園」という認識が、次第に広がっていったようです。
 それまで、平坦な広場として、「庭」として、実用面を中心に使われていました。その庭に、小池を掘り,小島を築いて観賞の対象として、次第に「庭園」として確立してゆきます。
 百済から仏教が伝えられますと,崇仏か否かの論争が始まりました。崇仏側の蘇我氏が勝ちを占め、飛鳥寺が建立されたのです。ここでわかりますように、庭園が、この時に蘇我氏によってつくられたということは,庭園の技術も、仏教と共に百済より伝来したと想像できます。
 大化改新後になって,天武天皇の皇子である,草壁皇子の早世を悲しんで詠まれた歌が、万葉集の巻二に残されています。この歌からも、草壁皇子の庭園の存在からも、「庭園」ということが認識されていることが解ります。
 この庭園にも、池が作られ,荒磯の様子を表す石組みがあります。石組みの間には、ツツジが植えられ,池中には島があり,このために「橘の島宮」と称せられました。このように,池を掘り、海の風景を表そうとしたことは,以後の日本庭園にも長く受け継がれてきているのです。
 飛鳥や平城京跡の庭園発掘がすすむにつれ、文献では得られない知見が増加しています。平城京の左京三条二坊六坪からは、長さ55m,最大幅5mの細長く屈曲し,底に玉石を敷きつめた池が発掘されています。公的な曲水の宴が催された庭園として注目してよいでしょう。
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 以下、重森完途氏の論文をもとにまとめてみました。
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 『日本書紀』によれば、推古(すいこ)天皇(在位593~628)のとき蘇我馬子(そがのうまこ)が飛鳥川のほとりに臣下として初めて池泉をつくり島をつくったと記述されていますこのことは当時話題となり、人々は彼を嶋大臣(しまのおとど)とよんだと記されていることからも話題の大きさを推測できます。それはまた、「庭園」に対する関心の高まりともいえます。
 同じ「推古紀」に、庭造りの路子工(みちこのたくみ)が渡来し須弥山(しゅみせん)をつくったという既述もあるそうです。
 法隆寺五重塔の内部に須弥山をかたどったものがあります。『続日本紀(しょくにほんぎ)』に、宮殿の南西に新しく池亭をつくり曲水の宴を催したとも記述があります。
 園城寺(おんじょうじ)園池、薬師寺竜宮池庭を始め、奈良時代になると多くの園池がつくられましたが、残念ながら現存していません。『万葉集』にも当時の数々の池庭が歌われています。
これらの園池は、神池・神島から発展して、庭園としての形をみせ始めたと推察されます。しかし、反面、広大なわりには粗放なものだったと推察されます。庭園としての景観を重視して設計整備された、優美で本格的な庭園が出現してくるのは平安時代に入ってからのようです。

        
■ 日本を代表する庭園        
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  ■ カシャリ! ひとり旅




ユーチューブで視る 【カシャリ!庭園めぐりの旅】

写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。

静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像:  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm 

【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています