■【心 de 経営】 経営四字熟語012 ■ 画竜点睛(がりょうてんせい) 気配り、思いやり、心づかい

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■ 示唆の多い経営四字熟語

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

 

■ 画竜点睛(がりょうてんせい) 気配り、思いやり、心づかい


 臥竜は、「がりょう」とだけではなく「がりゅう」とも読みます。間違えやすいのは「睛(せい)」というを「晴(はれ)」としてしまうことです。「睛」という字のへんだけではなく、作りも青ではなく、作りの下の部分が月ではないのです。

 「睛」とは瞳のことで、中国のある高僧が寺の壁に竜の絵を描いて、最後に残されたのが瞳でした。

 選挙にはつきものの、縁起物のだるまも、目を入れたものとそうでないもの、目の入れ方により印象が大変異なります。その高僧は、心を込めて瞳を入れたところ、竜が天に向かって飛んでいったというのです。

 すなわち、画竜点睛とは、ものごとの最も重要な部分であり、大切なところのことです。これをなす事が、ものごとを完成させることであり、最後の仕上げをすることに繋がるのです。

 先年、私の弟のような従弟が早逝してしまいました。通夜や葬儀の準備に追われている中で、香典の準備を始めました。

 不祝儀袋の表書きというのは多くの人が苦手としますが、この袋には試し書き用紙というのが入っていました。試し書き用紙のセンターが切り取られた状態で、そこに名前を書くとまっすぐに書けるようになっています。左側にはマス目がありますので、それをスケールにすると字の大きさも決めやすくなっています。

 不祝儀袋といっても、御霊前とか御仏前など、いろいろな用途に使えるように短冊状な用紙を入れ替えるだけで用途別に変更することができるものがります。そのままですと短冊が斜めにずれてしまいますが、短冊の裏のフィルムを取りますと、糊がついていて、それで固定することができます。

 お金を入れて水引に袋を差し込みますと、水引のひもがぷらぷらしがちです。水引の裏にやはりフィルムがあり、糊がついていました。それで水引を固定できるのです。

 これぞ、あっぱれ「日本人の心遣い!!!」

 ところが、貼り付けたはずの短冊がずり落ちてしまいました。糊が弱すぎるのです。

 画竜点睛を欠くとは、この様なことを指すのでしょうね。

 

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef