■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 災害時に見直されるFM放送技術 8502

 

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 災害時に見直されるFM放送技術 8502

 

「最初に話を聞いた時は難しいと思った。何しろ着地点が見えない。

 

 並々ならぬ努力をしなければならないと覚悟した」。

 

 日本通信機(神奈川県大和市)の楡幸一社長は2014年6月、山口放送のニーズを受けたNHKアイテックから「FM同期放送」の開発を打診された。


 FM同期放送は、複数の送信局が同じ周波数で放送できる技術だ。

 

 AM放送は電波が広範囲に届く強みを持つ半面、難聴・雑音対策や海外放送局との混信が課題。

 

 一方で、ノイズや混信に強いFM放送は、AM放送に比べて電波の届く範囲が狭いのが弱点だ。

 

 範囲を広げようと複数の送信局が同一周波数を出力すると、電波が重なる等電界エリアでは局間の距離差による周波数差や遅延時間差などが発生し、音質が低下してしまう。

 

 このため、従来は局ごとに異なる周波数を利用せざるを得なかった。


 これに対し、日本通信機はテレビの地上デジタル放送技術で培ったデジタル信号処理技術の可能性に賭けた。

 

 変調器の信号をすべて高精度デジタル処理化した試作機を完成させた。

 

 高精度の基準信号により周波数差を1ヘルツ以下に抑え、音声信号もデジタルで変調する。

 

 全地球測位システム(GPS)による1秒パルスを基に、遅延時間差を1マイクロ秒以下に抑え、等電界エリアでも同一のタイミングを実現した。


 2015年4月から工場内で擬似的に干渉状態を作り出す実験を行い、山口放送などと協力してフィールド実験を始めた。

 

 ただ、フィールド実験は放送休止時間の毎週月曜日午前1時から5時までしかできない。電波測定車で受信電界や音声品質を観測し、「大雪や大雨の中で移動しながら実験するのは、非常に大変だった」という。

 

 打診から約2年後の2016年4月、山口放送の長門局-美祢局間で国内初の高精度デジタル同期放送を開始。

 

 中国放送、ラジオ福島、福井放送などでも、FM放送用の周波数を利用したAM番組の放送「ワイドFM」(FM補完放送)の導入が進んでいる。


 ラジオ放送は2011年3月の東日本大震災をはじめ、災害時の有効性が見直されている。

 

 複数局から同一周波数で出力できるFM同期放送は、周波数の有効利用に貢献し、災害対策として期待されるワイドFMの周波数割り当て逼迫問題の解消につながる。

 

 また、車で移動する際も再チューニングが不要で、聴取者の利便性は向上する。

 

 これらの点が評価され、本年4月中旬に表彰式のあった第30回「中小企業優秀新技術・新製品賞」では最高賞である中小企業庁長官賞を受賞した。

 

 苦労が実った瞬間だった。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 


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