■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸っ子の上方コンプレックス 29

 

 
■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸女性とお酒

 江戸のエコや風俗習慣などから、現代人は、エコという観点に絞っても学ぶところが多いと思っています。杉浦日向子の江戸塾から学ぶところは多く、話のネタとなります。エッセイ風というと大げさになりますが、独断と偏見で紹介してみたいと思います。
                     
 私がはじめて杉浦日向子女史を知ったのは、「お江戸でござる」というNHKの番組でした。お酒が好きで、飾らない人柄、江
 
戸時代に生きていたかのような話しぶり、そこから江戸のことを知ると、われわれ現代人に反省の機会が増えるような気がします。
杉浦日向子の江戸塾

 

■ 江戸っ子の上方コンプレックス 29



 江戸の人たちには、上方コンプレックスがあったようです。

 例えば、京都の人は、昔から「都」であったことに誇りを持ち、プラス思考を強く持っていました。

 ほこりの裏返しがコンプレツクスで、江戸っ子は、否定的要因を肯定し、開き直おるのです。

 例えば、江戸の住宅事情は、上方に比べてよくありませんでした。

 それを、狭くて何も持たず、こざっぱりしているのが粋というのです。

 その代表的な存在が、「薄着」です。江戸っ子は、冬でも木綿の布子一枚でいました。しかも尻からげで裸足という出で立ちで走り廻っていたのです。家に閉じこもって火鉢を抱え込むような行為は「恥」なのです。

 寒いのが粋というのはおかしな話ですが、江戸にもそのようなことをする人を「やせ我慢」といって、笑う人もいました。

 要は、「滅びの美学」といいますか、「Simple is beautiful」なのです。それは上方コンプレックスに繋がっていることを、わかっている江戸っ子も多かったといえます。


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 杉浦日向子女史の江戸塾は、江戸時代のエコ生活から飽食時代を迎えている我々に大きな示唆を与えてくれます。