■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸のアウトソーシング付加価値ビジネス 32

杉浦日向子の江戸塾
■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸女性とお酒

 江戸のエコや風俗習慣などから、現代人は、エコという観点に絞っても学ぶところが多いと思っています。杉浦日向子の江戸塾から学ぶところは多く、話のネタとなります。エッセイ風というと大げさになりますが、独断と偏見で紹介してみたいと思います。
                     
 私がはじめて杉浦日向子女史を知ったのは、「お江戸でござる」というNHKの番組でした。お酒が好きで、飾らない人柄、江戸時代に生きていたかのような話しぶり、そこから江戸のことを知ると、われわれ現代人に反省の機会が増えるような気がします。


■ 江戸のアウトソーシング付加価値ビジネス 32


 前回、江戸の「レンタル・ブティック」の話でリサイクル、リユースについてご紹介しました。


 洗濯屋も結構繁盛していました。江戸時代の新規産業の一つで、江戸中期にできたようです。


 江戸の女性は強かったこともあり、手間のかかることはあまり自分ではやらず、アウトソーシングしていたのです。大変な手間となる洗い張りなどはほとんどの女性がやらなくなってきました。


 その分、洗濯屋が繁盛したのでしょう。


 洗濯屋だけではなく、サービス産業は江戸では結構流行っていたようです。それもそのはず、江戸には単身赴任者が多かったのです。


 江戸の単身者需要を当て込んで、アルバイト的に「江戸のかかあ」はいろいろと現金収入の道を考えていたようです。


 ウジ虫も湧くような男やもめだけではなく、単身者の部屋の掃除する仕事がありました。単身男性では、繕い物もあります。これらのトータルサービスをするビジネスがあったのです。オールパックで月額いくらという料金設定でした。


 八百屋のかかあは、売れ残った野菜くずを漬け物パックにして売っていました。野菜として買うと8文のものが、くず野菜で16文になるのですから、こんな“うまい”話はないですよね。


 すでに付加価値を考えたビジネスというかニッチ産業としてのビジネスが江戸時代にあったのです。


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