■■【税金Q&A】  配偶者控除

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


 谷澤佳彦先生は谷澤佳彦税理士事務所の所長で、税理士業を中心にご活躍中です。

 また、最近は「日本経営士協会 首都圏支部長」として活躍なさっております。このシリーズでは税金について税理士として、ご活躍の谷澤佳彦先生、質問は経営士俵一史先生が致します。

 できる限りわかりやすく説明するために、専門的には説明不充分な部分があることがありますことをご承知おきください。


 ※筆者詳細情報→ 
http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/1065.htm?mag2

◆   配偶者控除  ◆

 

Q:報道によりますと、配偶者控除を廃止する議論が出ています。今月はこの配偶者控除について教えて下さい。
 「配偶者の年収が103万円を超えると、配偶者控除を受けられなくなる」とよく耳にします。本当ですか?


A:まず正しくは、年収103万円でなく、合計所得38万円です。


Q:年収と所得はどう違うのでしょうか?


A:所得は収入から経費を差し引いたものです。
 給与所得者の経費は「給与所得控除」という概算経費を利用できます。この給与所得控除は最低65万円です。

 従って年収103万円とは、年収103万円-経費たる給与所得控除65万円=所得38万円ということになります。


Q:事業を行っている方であれば、利益が所得となるわけですね?


A:そうです。年金受給者であれば、年金控除というものを差し引いた後の金額が所得となります。


Q:ところで、所得と合計所得はどう違うのでしょうか?


A:所得税法においては、所得の種類により給与所得、事業所得、不動産所得などに区分しています。これらの所得を合算または一定の通算したものが合計所得です。


Q:ではもう1つの疑問点、「所得38万円を超えると配偶者控除を受けられなくなる」、これは合っていますか?


A:合っています。ただ補足が必要です。


Q:何でしょうか?


A:配偶者控除は受けられなくなりますが、配偶者特別控除が受けられます。


Q:配偶者特別控除とは何でしょうか?


A:配偶者の合計所得が38万以上76万円未満の場合、受けられるものです。最大で38万円、最低で3万円、配偶者の合計所得が多くなると、配偶者特別控除が減少します。


Q:すると、合計所得38万円を境に、急に控除が減る=課税対象が増えるわけではないのですね?


A:そうです。配偶者特別控除について理解されていない方を多く見受けます。


Q:わかりました、ありがとうございました。


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