■■【日本経済の読み方】 日本製品の再評価 2 布と衣服
時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。
■ 日本製品の再評価<2/4> 2014/01/22
NHKのテレビ番組で、ファッション・ジャーナリストの清水早苗氏の「MADE IN JAPANの布」というお話に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
ファッション業界では、数年前から、「メイド・イン・ジャパン」という言葉を、よく耳にするようになってきたというのです。彼女は、「身近にあるために、見失いがちだった日本製の良さを改めて見つめ直す、良い機会」と言っているほど、ファッション業界での「メイド・イン・ジャパン」の評価は高いというのです。
◇2 布と衣服
衣服は、言うまでもなく、糸を織ったり、編んだりした布で作られています。服を着るということは、その素材である「布」をまとうことでもあります。
衣服は、流行という側面から語られがちですが、布は、私たちの身体を覆い、保護する大切なものでもあるのです。
その布は、「着物文化」を無視できません。着物で育まれた繊維産地が各地に発展してきました。糸や布を染めるために、良質な水が必要ですが、日本にはそれが豊富です。
産地には、糸にはじまって、織り、編み、染色加工、縫製にたずさわる工場などが集まっています。
このように、日本には、伝統的に「布」生産の素地があるのです。日本が誇る職人・技術者のものづくりの精神もまた、着物文化と無縁ではないでしょう。
欧米の「ラグジュアリーブランド」と呼ばれる高価格帯のブランドが、日本製の布を採用しているところがあります。最近は、ラグジュアリーブランド向けの引き合いやサンプル制作が増加傾向にあることが、日本の「機屋さん」と呼ばれる織布業者からの話からも言えます。
しかし、ブランドとの契約によって、その事実を公にできない場合が多いので、われわれはその実情を知らないのです。
英国に留学した日本人のテキスタイルデザイナーはそこでも日本の布地に対する氷海の高いことで感激したという話もあります。パリで展示会を開いた若手デザイナーは、フランスのバイヤーから、布地が日本製でないと買わないと言われた、と言っています。日本製の布が、海外で評価されていることを、われわれ日本人はあまりにも知らなさすぎるようです。
■ 日本製品の再評価 1 2014/01/21
NHKのテレビ番組で、ファッション・ジャーナリストの清水早苗氏の「MADE IN JAPANの布」というお話に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
◇1 ファッション業界で高い評価を受ける日本製品
電子機器などは、かつては日本のお家芸でしたが、今日では中国や韓国の陰に隠れて、影が薄くなり、それが日本人の自信のなさに繋がり、「失われた○○年」などと揶揄されるようになりました。
しかし、中国製や韓国製の製品にはたくさんの日本製部品が使われています。工作機械も、精度の高いものを作るためには、日本の工作機械も使われています。
そのような製品の一つとして、清水氏は日本製の「布」に着目した発言をしていました。
ファッション業界では、数年前から、「メイド・イン・ジャパン」という言葉を、よく耳にするようになってきたというのです。伝統工芸品や特産品などを、地域の活性化につなげていくだけではなく、さらに、日本ブランドとして、世界に販路を広げていくという動きも盛んになってきているとみています。
彼女は、「身近にあるために、見失いがちだった日本製の良さを改めて見つめ直す、良い機会」と言っているほど、ファッション業界での「メイド・イン・ジャパン」の評価は高いのです。<続く>
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