燃える集団をつくる専門家 川添香です。
アンジェリーナ・ジョリーがブラピに離婚申請をしたニュースが流れました。
私の中では、ベストカップルのひとつだったので、ちょっとがっかり。
育児の見解の相違ということでしたが、何とかならなかったのか…と思ってしまいました。
それで思い出したのが、ワシントン大学のジョン・M・ゴットマン博士の研究です。
ゴットマン博士は、長年夫婦の関係性を研究してきた心理学者で、その研究成果から、
わずか5分、夫婦の言動を観察するだけで、今後の二人が幸せになるか離婚の道を歩むのか、
91%の確率で予測できるようになったそうなんです!
わずか5分ですよ!!
一体夫婦の何を観察すればわかるんでしょうね?
実は関係性における追跡のデータは、ゴットマン博士より他にないんです。
「夫婦関係」のデータではありますが、「人間関係」のデータと置き換えても遜色ありません。
組織における関係性においても援用できるものばかりです。
それでは、予測できる「別れる二人」には、どんな特徴があるのでしょうか。
ゴットマン博士の著書「結婚生活を成功させる7つの原則」から見ていきましょう。
◇第一のサイン
「出だしの悪い会話」 最初から否定的でとげとげしい口調で始まる。
◇第二のサイン
「四つの危険要因」をはらんでいる
①非難(批判) ②侮辱 ③自己弁護(防御) ④逃避
◇第三のサイン
「危険要因の『洪水』」
苦情や侮辱の言葉を十分過ぎるほど浴びせられると、その反発で逃避に逃げ込む。
相手との感情的な関係を断つ。
◇第四のサイン
「ボディランゲージ(身ぶり)」
口論が激しくなると、脈拍などの生理的反応が顕著になる。
生理的反応を計測することで、口論中のストレスの強さから離婚するかどうかが図れる
組織の関係性で考える場合、一番応用できるのが「四つの危険要因」です。
①非難(批判) ②侮辱 ③自己弁護(防御) ④逃避
これらは、なくなればよいというものでもなく、人間ですから誰でも持っていて当たり前なんですね。
ゴットマン博士の研究は、コミュニケーションの中で、こういった否定的な関わりと、
感謝や認知などの肯定的な関わりの割合が結婚生活の成否を分けるといっています。
さて、その割合とは
ジャジャン!
肯定:否定=5:1
5:1ですよ!
感謝や認め合いが<5>あれば、否定が<1>あっても大丈夫なんです。
あなたの職場はどんな割合ですか?
否定の割合が多かったら、今すぐ肯定性を高める動きをしてくださいね。
でないと、みんな病気になります( ゚Д゚)
って、どういうことかと言うと…
ゴットマン博士の研究データは、免疫システムにも影響していることを示唆しているんです。
不幸な結婚生活者は約35%も病気になりやすく、寿命も4年縮まるというデータがあるそうです。
逆に、一日20分、結婚生活充実のために努力することで、運動するより三倍の免疫力がつくらしいです。
あの免疫システムの戦士ともいえるキラー細胞を増やすことができるんだそうですよ。
「結婚生活」を「職場生活」に置き換えたら…
これは、健康保険料削減にも福音かもしれませんね。
ゴットマン博士のデータと理論は、関係性のコーチング(システム・コーチング®)に応用されています。
システム・コーチングでは、危険要因を「毒素」に例えています。
ワークを通して、組織に蔓延する「4つの毒素」と「解毒剤」について考察を深めていきます。