こんにちは。
細々続けているkeiのライフワーク、
kei'sインタビューです。
今回は、東京⇔札幌⇔ブリスベン(オーストラリア)の
3か所でノマド美容師として活躍する
YASU TANAKA(ヤス)さんの
インタビュー3回目を送りします。
※GCオフィスでうちのボスと武道の稽古中の日本男児ヤスさん。
【目次】
3.日本人的お金のブロック問題!
■海外で日本人が
働くときの
お金のブロック
K:人件費が日本よりも高いという
メリットに加えて、
オーストラリアでは
「日本人美容師」という
バリューもつくんじゃないでしょうか?
日本人美容師さんは技術力が高く
評判が良いと聞きますが。
Y:あ、それなんですが、実は違うんです。
やっぱり僕も1年間リサーチしたときに、
こっちの日本人美容師さんのカット料金と
オーストラリア人のカット料金を比べると、
だいたい日本人の美容師は
半額ぐらいなんですよ。
だから「日本人バリュー」じゃないんですよ。
日本人美容師は半額。
K:そうなんですか!?
それって英語力の問題ですか?
Y:ていうか、こんなことを言ったら
怒られますけど、
料金をオージーと同じに設定して
勝負できる人がいない、
という現状ですね。
自信がないというか、
メンタルなんですよね。
技術はあるのに
全然オージーよりも上手なはずなのに、
勝手に負い目を感じている。
そういう風に僕は分析して
いるんですよね。
だって、
日本で10年20年やっているような方が
カット60ドルでやってる。
日本円にすると4200円ですよね。
じゃぁその方が日本で4200円で
やっているかと言うと
そんなわけはないんですよ。
オーストラリアで日本人が
美容師をやろうとすると、
その辺の60ドルでやってしまうから、
みんな適性な価格を
設定できないんですよね。
K:業界にとって良くないですよね。
Y:良くないです。
例えばシティの真ん中の
ローカルの美容室なら
カット料金が120ドルくらいなんですよ。
高い人は300ドル取ってたりします。
120ドルを為替レートで考えると
日本だと8500円くらいだから、
僕らの年代くらいの美容師が
普通に東京でやってる値段と
同じなんですよね。
それを逆にオージーの半額ぐらいで
やっちゃっている意味がわからない。
K:メンタル大きいですね。
それって日本人が海外で働くときに
かなり影響しますよね。
Y:多分、地元の
オーストラリア人のお客さんは、
「この日本人の英語力が
自分たちより低い」
なんて考えずに接してくれて
いるんですよ。
この人訛ってるな、とは
思うかもしれないけど、
だからと言って
自分より上とか下とか考えてはなくて、
技術で見ている。
美容師だったら、美容師として
見てくれているのに、
勝手にこっち側が
「ごめんなさい、ボク英語が」とか
「ネイティブみたいに1時間雑談を
しゃべりきれません」とか、
そこは料金や技術とは関係ないのに、
言語で負い目を感じちゃって
料金とれない、という。
K:ヤスさんは最初からそのブロックは
ありませんでしたか?
Y:いや、最初はありましたよ。
本当の最初はブリスベンで
一番料金の高い美容師に
レジュメ(履歴書)を持って
飛び込んだんですよね。
で、当時でそのお店の
カット料金が77ドル。
日本人美容師だと40ドルくらいで
カットしていた時代です。
で、お店側は雇ってくれる話に
なったのですが、
いや、日本人相手に勝負できません、
カットに77ドルも出してきてくれる
日本人のお客さんはいないし、
だからといってローカルの人相手には
ボクの英語力ではできない、
とお断りしちゃったんですよね。
自分だけ40ドルでカットやらせて欲しい、
といっても「それはできない」
と言われたので。
K:へ~っ。
ヤスさんにもそういう時期が
あったのですね。
Y:まだオーストラリアに来て
2年目くらいです。
K:いつからそのメンタルが
変わっていったのですか?
Y:変わっていったのは、
やっぱりオージーのサロンで
ビジネスビザを出してもらって
働いた頃からです。
そこはスタッフ7~8人の中に
日本人が僕だけで、
その時に周りが逆に
モチベーションを
上げてくれるんですよ。
「お前の技術力はすごい」とか
「だから堂々とやれ」みたいな
K:オージーは、良いものは良いと
ストレートに言ってくれる。
Y:料金も「安くするな」と言ってくれる。
日本人が持っている
お金のブロック的なものが解けたのも、
その時期でした。
きちんと技術を等価交換をする
というところでお金を頂く。
そして、その後、
東京の銀座の美容室で働いた時に、
僕のカット料金が10500円で、
あ、一万円も頂いていいんだ、
っていうのを日本社会でも
感じることができたのもありました。
K:自分の持っている価値観を
底上げしてくれる環境で
働くことが大事なんですね。
Y:そうですね。
僕のリサーチですが、
全豪、シドニーも含めて、
日本人美容師で僕は
カット料金が一番高いはずです。
でもお客さん来てきてくれます。
K:高い料金を好むお客様も
いらっしゃいますよね。
Y:それでも今の僕のカット料金は
オーストラリア人の
ジュニアスタイリストの
料金なんですよね。
カット料金が95ドルなんですが。
さすがに10月からはこの円高で
値上げしようと思っています。
次は110ドルにするのですが。
オーストアリアでは
カットデビューしたての
美容師さんが80ドル90ドルなので。
K:高いな。笑。
Y:だから日本人だったら
もっと堂々と100ドルくらい
チャージしてもいいはずなんですけど、
どうしてみんな60ドル程度で
やっているのか、っていう。
K:そのメンタルって
私にもあります。
こちらの日本人社会に
蔓延していると思います。
Y:やっぱり日本人のお客さんに
申し訳ない、って
思っちゃうんでしょうね。
K:同胞からぼったくれない、という?
Y:そういうことです。
そしてやっぱり僕のお客さんの中にも
「敷居が高い」とか
「年に1回しかこれない」
と言う人もいるんですよね。
それだったら全然安いところに
行ってくれていいですよ、
という感じなんです。
安いところで崩れてきたスタイルを
年に1回でも修正に来て頂ければ、
とお伝えしています。
たったひとりのお客様が「高い」
と言ってきたからといって
全部のお客さんに対して安くするのはおかしいから、
他に行って頂いて構わなくて。
ただ、この値段で来てくださった方には
精一杯技術の提供はします、
というスタンスです。
K:なるほどです。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
インタビュー3回目は以上です。
海外に住む日本人が持つお金のブロック、
本当にあるあるなんですよね。
提供するサービスを明確にして
きちんとそのバリューを守っていくことは
大切なことだと改めて思いました。
次回は「マーケティング」について
ヤスさんにお話頂きます。
明日もどうぞお楽しみになさってください♪
YASU TANAKA
年間30回以上飛行機移動する美容師・理容師。ノマドワーカー&パラレルワーカー。東京・札幌・ブリスベンでの美容師業の傍ら、動画配信やフリーランス向けのサロンも展開。分析好きの実践派。コンサルでは的確なアドバイスには定評あり。ラジオパーソナリティー、UQ大学でのゲスト講師など、多彩な顔を持つ。
■ Yasu Tanaka公式サイト
■ ノマド美容師
■ ブリスベン美容室
https://brisbane.jp/
https://www.instagram.com/yasucomau/
■ Facebook オンラインサロン
フリーランス&ノマド塾
https://www.facebook.com/groups/YasuNomad/
■ アメブロ
https://ameblo.jp/yasucomau/
【ノマド美容師YASUさん番外編】ノマド&ミニマリストのカバンの中を大公開!(動画)